花の都・パリの「誰も知らない」隠された一面!?…秘密は「公園」にあり!パリの新たな楽しみ方を伝授!

AI要約

パリには多くの公園があり、それを散歩したり、休んだりすることがパリの人々にとって重要な楽しみである。

パリの公園にはさまざまな名称があり、緑地や遊歩道などが存在し、公園の数は450以上にも及ぶ。

パリの公園の中でも歴史ある公園や特徴的な公園が多く存在し、それぞれが異なる魅力を持っている。

花の都・パリの「誰も知らない」隠された一面!?…秘密は「公園」にあり!パリの新たな楽しみ方を伝授!

2024年の夏、オリンピックの開催で注目されるフランス・パリ。「芸術の都」「花の都」「美食の街」などの異名をもつこの街は、長年世界中の人々の憧れの的となっている。そんなパリに傾倒して何度も訪れ、人生の大半を捧げてきた著者が、パリの歴史を独自の視点から物語る。

『物語 パリの歴史』(高遠 弘美著)より抜粋して、パリオリンピック開催中の今こそ知っておきたいたくさんの魅力を紹介する。

パリには多くの公園があります。公園を散歩したりそこで休んだりするのはパリの人々には欠かせない楽しみです。

単語としては芝生や花壇のある街中の公園を意味する「ジャルダン」jardin(リュクサンブール公園やチュイルリー公園やシャンゼリゼ公園がこれです。パリに145あります)、大規模な公園や城館に附属する公園を指す「パルク」parc(モンソー公園など。パリに17を数えます)、柵で囲まれた広場を含む小さな公園「スクワール」square(たとえば3区のタンプル公園。275に上ります。「辻公園」と訳す場合もあります)、広場ながら公園と言ってもいい「プラス」place(ドーフィーヌ広場。「広場」としてはパリ市内に479ヶ所存在しますが、純粋に「公園」をいくつとするかは議論の余地があります)などがありますが、そうした緑地のある広場や公園は、いま挙げた以上にさまざまな言葉(allée, coulée verte, esplanade, mail, promenade)で示され、遊歩道まで入れるとその数は450にも上るそうです。

その中にはブーローニュとヴァンセンヌの2つの「森(ボワ)」も入ります。これは特大の公園と言っていいでしょう。石造りや最近では鉄筋コンクリートの建物が多いパリの至るところに緑があるのはこの町の魅力を増す確かな要素になっています。

私は2年間、片隅に薔薇園のあるスクワール・ルネ・ル・ガルという公園の前に住んでいましたが、早朝きれいな声で鳴く「黒歌鳥(メルル・ノワール)」にどれほど癒やされたことでしょう。名称こそさまざまですが、パリ暮らしの、あるいはパリ歩きの大きな楽しみは公園にあるといってよいと思います。

450すべてというわけにはいきませんが、古くからの公園をいくつか挙げてみます。地図で探せるように原語をつけておきます。順番に意味はありません。4桁の数字は開園した年です。

・モンソー公園 Parc Monceau(8区。1852)

・ビュット・ショーモン公園 Parc des Buttes-Chaumont(19区。1867)

・モンスーリ公園 Parc Montsouris(14区。1875)

・リュクサンブール公園 Jardin du Luxembourg (6区。1612)

・パレ・ロワイヤル庭園 Jardin du Palais Royal(1区。1633)

・シャンゼリゼ公園 Jardin des Champs-Élysées(8区。1840)

といった有名な公園に加えて、「プラス」を2つ、きれいな四角の公園で、一角にはセヴィニェ夫人が生まれた建物やヴィクトル・ユーゴー記念館などがあるヴォージュ広場とドーフィーヌ広場を挙げておきます。後者はポン・ヌフから入れる静かで落ち着ける公園です。2つの「プラス」とも美味しいレストランがあります。

・ヴォージュ広場 Place des Vosges(3区・4区。1612)

・ドーフィーヌ広場 Place Dauphine(1区。1611)

変わったところとして一つだけ挙げるとすれば、バスチーユとヴァンセンヌを結んでいた鉄道の廃線跡に作られた遊歩道でしょうか。散歩に最適です。

・クーレ・ヴェルト・ルネ・デュモン遊歩道 Coulée verte René-Dumont(12区。1988)

最初にこの遊歩道の存在に気がついたのは、リヨン駅経由でバスチーユのオペラ座へゆくときのバスの車中からでした。バスで移動すると思わぬ発見があり、パリの魅力が増します。もちろん、歩いてもさらに。