英新政権、イスラエル首相逮捕状巡るICC手続き取り下げ

AI要約

英国のスターマー新政権は、国際刑事裁判所がイスラエルの首相らの逮捕状を請求した件に関連し、前政権がICCの管轄権に関する意見書提出の要請を取り下げると表明した。

ICCの検察官は、パレスチナガザでの戦争犯罪の疑いでイスラエル首相と国防相の逮捕状を請求しており、イスラエルと米国から批判が上がっている。

英国は「オスロ合意の下でパレスチナがイスラエル国民に刑事管轄権を行使できない状況にある」と指摘し、ICCへの提出を認めるよう求めていたが、新政権は裁判所の決定を尊重すると表明した。

英新政権、イスラエル首相逮捕状巡るICC手続き取り下げ

[ロンドン26日 ロイター] - 英国のスターマー新政権は26日、国際刑事裁判所(ICC)の検察官がイスラエルのネタニヤフ首相らの逮捕状を請求したことを巡り、英前政権がICCの管轄権に関する意見書の提出を許可するよう求めた手続きを取り下げると表明した。

ICCの主任検察官は、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡る戦争犯罪の疑いでイスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相の逮捕状を請求していた。イスラエルはこれに反発し、米国からも批判的な声が上がっていた。検察官はイスラム組織ハマス幹部3人にも同様の逮捕状を請求している。

ICCに加盟する英国はこの問題を巡り「オスロ合意の下でパレスチナがイスラエル国民に刑事管轄権を行使できない状況にある」と指摘。そのため、ICCがイスラエル国民にこうした権利を行使できるかどうかを問う意見書の提出を認めるよう求めていた。

その後、英総選挙で勝利した労働党が保守党から政権を奪還。スターマー新首相の報道官は記者団に対し、新政権は「これは裁判所が決定すべき問題だとのわれわれの長年の立場に沿うものだ」として、要請を取り下げると説明した。「国際的にも国内的にも法の支配、そして権力の分立を強く信じている」とも述べた。