国際原油価格5週間ぶりの安値…「トランプ氏再選時は長期的に下落の見通し」

AI要約

国際原油価格が5週間ぶりの安値を記録し、中国の景気鈍化や需要減少への懸念がある中、長期的に下落すると予想されている。

中国の景気回復が遅れ、最新の経済成長率が市場予想を下回る中、原油需要見通しが深刻化している。

米大統領選挙や電気自動車の普及などが原油価格に与える影響に注目が集まり、国際原油価格は来年も下落する傾向がある。

中国の景気鈍化の懸念が解消されていないのに国際原油価格が5週間ぶりの安値を記録した。市場は原油価格が長期的に下がるものと予想している。

22日のニューヨーク商品取引所でウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)8月物は前日より0.44%値を下げ1バレル=79.78ドルで取引を終えた。9月物は0.45ドル下落の78.19ドルで、これは6月14日以降で最も低い値だ。WTI価格は3営業日で3.71%下落した。ブレント原油9月引き渡し分価格も前日より0.28%下がり6月11日以降で最安値となった。

中国の景気回復動向が遅く原油需要減少見通しが深まった影響が大きかった。最近発表された中国の4-6月期経済成長率は4.7%で市場の予想値を大きく下回った。

中国政府は事実上の政策金利である最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を5カ月ぶりに引き下げて流動性供給に出たが、市場では追加浮揚策がなければ大きな効果はないだろうという評価が出ている。

市場は11月の米大統領選挙が原油価格に及ぼす影響に対しても注目している。トランプ前大統領が再選に成功する場合、米国の原油生産量増大を推進し長期的に原油価格に下落圧力が生じるだろうという見通しが出ている。

来年の国際原油価格は下落傾向を見せるという予想が多い。モルガン・スタンレーは「来年にはブレント原油価格が70ドル台中後半まで落ちるだろう」と予想した。国際エネルギー機関(IEA)も月間報告書で「電気自動車の使用が増えるなど需要の構造的劣勢が予想され、主要国の中央銀行が金利引き下げを始めたのに経済成長が振るわない」として来年の原油需要見通しを1日100万バレルから98万バレルに下方修正した。