中国・古い伝統的産業分野が新たな推進力で開花

AI要約

中国は伝統的な産業と最先端技術の両方に取り組んでおり、伝統的産業を改革している。

中国工業・情報化部では、伝統的産業の革新とアップグレードを重視し、新技術の導入を推進している。

浪潮集団と瀋陽翰煕機械設備のコラボレーションにより、スマート機器への転換が進められ、多くのメリットが得られている。

中国・古い伝統的産業分野が新たな推進力で開花

【東方新報】世界の製造大国である中国は、最先端技術や新興分野を開拓すると同時に、際限なく広がった鉄鋼、非鉄金属、建材などの古い伝統的な産業への対応にも奔走し、大きな課題に直面している。

 これら伝統的な旧タイプの産業を「ローエンド」と呼び、十分な生産性がなく環境にも悪影響を及ぼす可能性があるとして、段階的な廃止を求める声もあるが、中国の産業規制当局のトップは、より合理的な見解を示している。

「中国工業・情報化部」の金壮竜(Jin Zhuanglong)部長は「中国の伝統的産業分野は広大で、鉄鋼、非鉄金属、石油化学、建築材料、軽工業、機械、繊維・アパレル、食品、漢方薬など、製造業の80パーセント以上を占めている。これらは近代的な産業システムの基礎を担い、経済発展と人びとの生活にとって極めて重要で、世界有数の製造大国としての中国の地位を維持するために不可欠だ」と述べている。

 金部長は「現在と未来にかかわらず、伝統的産業は単に『ローエンド』というレッテルを貼り、淘汰すきではない。我々は、伝統的産業の転換とグレードアップを優先し、一連の『包括的な措置』を用いて、よりハイエンドで、よりスマートで、より環境に優しい方向への発展を加速させ、伝統的産業分野で『新たに花が開く』ようにしなければならない」と付け加えた。

 今後、同省は、伝統的な産業のハイエンド化、インテリジェント化、グリーン化、総合的な技術改革を推進し、新技術のパイロット・プロジェクトを支援し、主要な製造技術のアップグレードと大規模な設備更新プロジェクトを実施することに重点を置くとしている。その目的は、伝統的産業を若返らせ、新しい質の高い生産力の担い手とすることである。

 その典型的な例が、産業用インターネットに注力する中国のIT大手「浪潮集団( Inspur Group )」傘下の「浪潮雲洲(Inspur Yunzhou)工業インターネット(industrial internet)」と遼寧省(Liaoning)瀋陽市(Shenyang)の鉱業用破砕・篩い分け装置メーカー「瀋陽翰煕機械設備(Hansy Mining)」とのコラボレーションだという。

 両社は、従来の機械設備をスマート機器に転換するためのコラボレーションプロジェクトを立ち上げた。

 これは、インターネットに接続されていない「旧タイプの機械」に、工場から出荷される前に、浪潮雲洲社の「雲州セキュリティ・チップ」や「インテリジェント・ゲートウェイ」などの先進的な産業用セキュリティ・デバイスを装備する取り組みで、これによって、普通の機械をデータサービスまで提供できる「スマート機器」へと進化させることができる。

 このスマート機器は、品質トレース、エネルギー消費、生産性分析、リモートメンテナンス、アフターサービスを含む包括的な監視・制御機能を通じて、全領域的な管理と分析を担うことができる。このプロセスにより、作業と故障のデータが継続的に蓄積され、設備分析モデルを創り上げることが可能だという。

 このスマート化で、「瀋陽翰煕機械設備」は、操業コストを削減し、製品価値を高め、サービス品質を向上させることができた。機器の故障率を15パーセント削減し、計画外のダウンタイムを20パーセント削減し、メンテナンス効率を25パーセント向上させ、メンテナンスコストを20パーセント削減し、販売後の修理効率を90パーセント向上させるという巨大なメリットが得られた。これによって同社の製品とブランドの競争力が著しく高まったという。

「浪潮雲洲」の最高技術責任者は「設備のインテリジェント化は、企業が従来の普通の『産業設備メーカー』から『産業設備の製造、デジタルサービス、インフラ設備のオペレーター』に構造転換するために大きな役割を果たす」と強調する。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。