バイデン撤退でも「カマラ・ハリスで決まり」なわけではない複雑な事情とは?

AI要約

ジョー・バイデン大統領が再選をめざしての撤退を発表し、後継にカマラ・ハリス副大統領を支持する意向を示した。

バイデンは高まる党内の圧力や健康上の理由により撤退を決意したが、その決断はごく限られた人々にしか事前知識がなかった。

トランプ前大統領はバイデンを批判するコメントを発表し、政敵への中傷を再開した。

バイデン撤退でも「カマラ・ハリスで決まり」なわけではない複雑な事情とは?

米国のジョー・バイデン大統領が7月21日、大統領選から撤退すると表明した。後継の民主党候補としてカマラ・ハリス副大統領を支持することも発表した。

再選をめざすバイデンをめぐっては、6月末の大統領選討論会で「老い」が目立つ散々な姿を見せたため、党内や大口献金者から撤退を迫る圧力が高まっていた。

先週には、それまでバイデン支持を崩さなかったバラク・オバマ元大統領まで暗に出馬断念を促していると報じられ、「バイデン包囲網」が狭まっていたところだった。

民主党議員から相次いで撤退を求める声が上がっても、バイデンはこの数週間、かたくなに戦い続ける意向を示してきた。それを180度転換するとは、いったい何があったのか?

米紙「ニューヨーク・タイムズ」によれば、事態が動きだしたのは20日の午後。新型コロナに感染後、地元デラウェア州で療養していたバイデンは最側近2人を呼んで、撤退の意思を伝え、声明の草稿を練ったという。心を決めるまでには家族会議がおこなわれたと見られる。

翌21日、バイデンはハリスのほか、ワシントンに残っていた首席補佐官に電話をかけ、その後ほどなくしてXに撤退の声明を投稿した。このように発表の直前までごく限られた少数の人たちにしか知らされていなかったという。

バイデンは「再選を目指すつもりだったが、自分が身を引くことが我が党と国にとって最善である」と声明で述べ、さらに別の投稿でハリスを全面的に支持すると発表した。

共和党の指名候補であるドナルド・トランプ前大統領はすぐに、「そもそもペテン師のジョー・バイデンは大統領にふさわしくなかった」とSNSで攻撃。暗殺未遂事件後、政敵への中傷はもうしないと豪語していたが、すでに「元のトランプ」に戻っているようだ。