韓国軍「毎日10時間ずつ対北朝鮮拡声器放送」…汚物風船に強硬対応

AI要約

合同参謀本部は北朝鮮に対する拡声器放送を毎日実施することを決定した。北朝鮮が韓国に200あまりの汚物風船を飛ばしたことに対応している。

18日に北朝鮮軍がゴミ風船を飛ばしたことを受け、合同参謀本部は拡声器放送を実施し、今後も強力な措置を取る姿勢を示している。

北朝鮮への心理戦を強化し、境界地域の安全を保護するために対策を講じているが、坡州市は拡声器放送の再開に懸念を表明している。

 北朝鮮が韓国に200あまりの汚物風船を飛ばしてきたことに対して、合同参謀本部(合参)は当面、北朝鮮に対する拡声器放送を毎日実施することを決めた。対北朝鮮ビラと対南汚物風船をめぐる南北対立が北朝鮮に対する拡声器放送の拡大へとつながり、境界地域の住民の不安も高まっている。

 合参は19日、「北朝鮮による風船を飛ばすための準備活動が続いていることに対し、もはや見過ごすことはできないと判断し、18日に北朝鮮軍がゴミ風船を飛ばした際に実施したのと類似する規模で、この日午後4時から北朝鮮に対する拡声器放送を継続的に実施する」と表明した。

 合参は今月18日午後5時に北朝鮮の対南汚物風船散布を識別し、午後6時ごろから19日午前4~5時まで10時間ほど拡声器放送を実施した。続いて19日午後4時から深夜まで実施した。20日からは午前から夜まで10時間放送する予定だ。4月から北朝鮮軍は非武装地帯で地雷埋設など各種作業を大規模に実施しているため、彼らに対して昼間に放送を実施するという。

 合参の関係者は、「今後毎日、東部、西部戦線の数カ所でそれぞれ1~2時間ずつ断続的に拡声器放送を行う予定だ。1日の各地での放送時間を合わせると10時間ほどになるだろう」と説明した。

 合参は、「北朝鮮軍が再びごみ風船散布行為を含めて各種挑発をおこなったら、韓国軍は対北朝鮮拡声器放送の全面実施など、より強力な措置を取るだろう」と付け加えた。合参の関係者は、「北朝鮮が再び汚物風船を送ってきたら、拡声器放送を何カ所かで断続的にやるのではなく、東部、西部戦線に配備されたすべての拡声器を同時稼動するということ」だと説明した。2018年4月の「板門店宣言」に則って撤去されるまで、前方地域には北朝鮮に向けられた拡声器が、固定式が24台、移動式が16台あった。

 軍が「毎日拡声器放送」および「汚物風船散布時の全面放送」で北朝鮮に対する心理戦のレベルを上げたことにより、北朝鮮の今後の対応が注目される。

 京畿道坡州市(パジュシ)は文書で、「境界地域の市民の命と安全の保障を最優先に考慮し、対策に行政力を総動員している中、対北朝鮮拡声器放送の再開は遺憾」だとの立場を表明しつつ、管轄部隊に北朝鮮に対する拡声器放送の自制を要請した。坡州市のキム・ギョンイル市長は、「2015年に京畿道漣川(ヨンチョン)で起きた対北朝鮮拡声器放送に対応した北朝鮮による砲撃挑発の際の状況と類似した流れになってきている」と懸念を表明した。

 いっぽう合参は、北朝鮮が18日午後5時から19日午前5時にかけて飛ばした200個の汚物風船のうち、40個あまりが京畿北部地域に落下したと明らかにした。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )