欧州議会、フォンデアライエン欧州委員長の続投を正式決定 露の脅威念頭に安全保障強化へ

AI要約

欧州議会はフォンデアライエン欧州委員長の続投を賛成多数で承認し、彼女の安全保障政策を支持する見通しを示した。

フォンデアライエン氏はEU初の女性委員長として2019年に任命され、2期目ではロシアへの防衛強化を目指す。

EU加盟国の防衛産業の強化やロシアへの抑止力強化を進めるために5千億ユーロの投資が必要であるとの見通しを明らかにしている。

【パリ=板東和正】欧州連合(EU)欧州議会は18日、行政執行機関トップ、フォンデアライエン欧州委員長の続投を巡る採決を実施し、賛成多数で再選を承認した。任期は5年。フォンデアライエン氏はロシアの脅威を念頭に欧州の安全保障を強化する見通しだ。

フォンデアライエン氏は2019年、EU史上初の女性委員長に就任した。任期は今年10月末までだったが、EUは6月の首脳会議で、同氏の続投を正式に支持した。

欧州委員長の人事は欧州議会の承認を経て決定する仕組み。欧州メディアによると、18日の採決では約400人が賛成した。親EU派議員の造反が予想されたが、承認に必要な過半数に達した。

フォンデアライエン氏は1期目で、ロシアの侵略を受けるウクライナへの兵器供与を維持。中国を念頭にした経済安全保障政策の拡充に努めてきた。同氏はEU加盟国の防衛産業の強化などのために5千億ユーロ(約86兆円)の投資が必要との見通しを示しており、2期目ではロシアに対する抑止力を向上するための防衛強化を掲げる方針だ。