「コーラより安い焼酎…韓国の酒税の軽さが過度な飲酒を助長」

AI要約

韓国で焼酎が他の飲料より安い理由や課税の問題について、ソウル市立大学のキム・ウチョル教授が指摘した。

焼酎に課される税が少ないため、過度な飲酒が抑制されずにいるというキム教授の主張。

キム教授は、焼酎の軽すぎる税が社会的コストを十分に負担させず、度数が高い酒類には従量税方式を適用すべきだと主張した。

 「焼酎1ビンの値段がコーラやサイダーより安い。世界で蒸留酒がこれほど安い国は韓国しかありません」

 ソウル市立大学のキム・ウチョル教授(税務学)は17日、ソウル汝矣島(ヨイド)のFKIタワーで行われた韓国財政学会の政策討論会で、「焼酎に課される税が少ないため、韓国社会の過度な飲酒が抑制されずにいる」として、このように語った。この日のキム教授の発表のタイトルは「酒税体系改編の論点と政策課題」だ。

 キム教授の分析によると、飲酒が誘発する事故や犯罪などが第三者に及ぼす被害の規模は8兆7000億ウォン。一方、1年に徴収される酒税は3兆6000億ウォン(2023年)にとどまる。飲酒が誘発する社会的コストを原因提供者(酒類の消費者および製造業者)はきちんと負担していないということだ。

 キム教授が特に焼酎に注目したのは、度数の高さのわりに課される税が軽すぎるからだ。度数の高い酒類ほど飲酒が誘発する社会的コストが大きくなるため、そのぶん税も重くなければならないが、焼酎はそうではない。焼酎はウイスキー、ブランデーなどとともに「蒸留酒」に分類され、価格に課される「従価税」が適用されている。具体的には、360ミリリットル入りの焼酎1ビンの場合、原価(586ウォン)に基準販売比率(22%)をかけたものを原価から引いた金額(457ウォン)を課税標準とし、それに酒税、教育税、付加価値税が課される。今年の焼酎1ビン当たりの税金は529ウォンで、そのうち酒税は329ウォン(課税標準457ウォン×税率72%)にとどまる。

 キム教授は、「希釈式焼酎は度数の高い蒸留酒であるにもかかわらず、原価が低いせいで従価税として課される税金は軽くならざるをえない。酒類消費の抑制機能を顕著に低下させている。補完が急がれる」と述べた。従価税体系をそのままにして税率を72%から100%へと引き上げたとしても、1ビン当たり185ウォンの上昇にとどまる。

 長期的には、度数が高いほどより多くの税を課す従量税方式で課税すべきだ、というのがキム教授の主張だ。同氏は「原価が低く度数の高い酒類が大量消費されているというのが韓国の酒類市場の特徴」だとし、「米国、フランスなどの世界の主要国は、度数を基準として従量税を適用している」と語った。政府は2020年に、ビールと濁酒の課税方式を従価税から従量税へと転換している。

 ただしキム教授は、当面は現行の従価税に従量税を加味する方式を提案する。蒸留酒の課税方式を一気に従量税に転換すると、焼酎の価格が急上昇する可能性があるからだ。キム教授は、「焼酎とウイスキーの価格の大きな違いを無視して、単純に出庫量に応じて課税すると、庶民層の酒税負担が非常に重くなるだけになる可能性がある。従価税率を低くしたうえで、アルコール度数に応じた従量税率を部分導入するのが妥当だ」と語った。

アン・テホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )