ネタニヤフ首相、ガザ交渉妨害か 保身狙い新要求 イスラエル紙報道

AI要約

イスラエル政府がガザでの停戦と人質解放に向けた交渉を妨害していると報じられる。

ネタニヤフ首相が自身の政権維持を優先し、要求の履行を拒否していると批判が出ている。

停戦合意や人質解放が実現しつつある中、極右政党との利害対立が問題視されている。

 【カイロ時事】イスラエル紙エルサレム・ポストは16日、パレスチナ自治区ガザでの停戦と人質解放に向けたイスラム組織ハマスとの間接交渉に関連し、同国のネタニヤフ首相が政権維持のため、合意に至らないよう妨害していると報じた。

 これが事実なら、国内各地で人質解放を求めるデモが続く中、ネタニヤフ氏が保身を優先し人質解放を後回しにしているとの批判が出そうだ。

 同紙が関係筋の話として伝えたところでは、ネタニヤフ氏は、ハマスが密輸武器の入手拠点としているガザ・エジプト境界の緩衝地帯を引き続きイスラエルが管理することを要求。また、武装したハマスのメンバーが再びガザ北部に戻らないことも求めているという。

 ただ、これら二つの要求はイスラエルの治安とは無関係で、ネタニヤフ氏は連立政権の一角を占める極右政党党首のベングビール国家治安相が「ネタニヤフ降ろし」に動かないことだけを気にしているとされる。

 関係筋は同紙に、ハマスが先に、これまで固執していた「恒久停戦」確約の要求を取り下げる譲歩を行ったことで、今週か来週には停戦合意が実現し、多数の人質が帰還していた可能性があったと述べた。極右政党はハマスとの停戦に強く反対している。