韓国造船業界、コンテナ船「受注大当たり」で期待高まる

AI要約

韓国の造船所が久しぶりに大規模コンテナ船を受注した。この10年余りの間、建造費用が安いコンテナ船の注文は徐々に中国側に移り、韓国は相対的に付加価値の高いアンモニア・LNG(液化天然ガス)船にさらに注力してきた。

コンテナ船の受注まで再び続き、HD韓国造船海洋と韓火オーシャン、サムスン重工業の造船3社の中には上半期にすでに今年の受注目標を達成したところもある。造船業界では、1963~1973年が1次、2002~2007年が2次スーパーサイクルとして挙げられており、長期好況が予測される。

国内造船業が強みを持っているLNG船舶建造市場に中国企業も参入し、技術格差が縮まる懸念がある。また、熟練工の不足など構造的課題も残っている。

韓国造船業界、コンテナ船「受注大当たり」で期待高まる

 韓国の造船所が久しぶりに大規模コンテナ船を受注した。この10年余りの間、建造費用が安いコンテナ船の注文は徐々に中国側に移り、韓国は相対的に付加価値の高いアンモニア・LNG(液化天然ガス)船にさらに注力してきた。今回の受注は世界的にコンテナ船の発注がそれだけ急増していることを意味する。国内業界では、高付加価値船に続き、中国に渡ったと思われていたコンテナ船の注文まで殺到すると、造船業が超好況期を迎える可能性があるとして、期待が高まっている。しかし、熟練工の不足や中国メーカーの追撃など、構造的課題は依然として残っている。

 HD韓国造船海洋傘下の造船所は15日、大規模コンテナ船受注契約を締結したと発表した。1万5500TEU(1TEU=20フィートコンテナ1つ)級コンテナ船12隻を建造してほしいという注文で、契約規模は3兆6832億ウォン(約4200万円)に達する。ハイ投資証券のピョン・ヨンジン研究員は「今年のコンテナ船発注状況が良いと予想した専門家はあまりいなかった」とし、「紅海事態の長期化で運賃が大幅に上がりコンテナ船会社大きな利益を上げた。このような資金力をもとに大型船会社が相次いでコンテナ船の発注を増やし、韓国もその恩恵を受けている」と語った。

 コンテナ船の受注まで再び続き、HD韓国造船海洋と韓火オーシャン、サムスン重工業の造船3社の中には上半期にすでに今年の受注目標を達成したところもある。HD韓国造船海洋傘下の造船所のうち、HD現代尾浦とHD現代三湖はすでに今年の目標値を満たしている。韓国火オーシャンは目標値の86%を達成したものと推定される。サムスン重工業の上半期の受注は49億ドルで、昨年同期(32億ドル)より53%増えた。

 船舶建造価格も値上がりしている。造船所の収益性も改善されているという意味だ。「新造船価格指数」は2021年から着実に上昇し187(今年6月基準)を記録している。新造船価格指数は1998年基準で全世界の船舶建造価格を100とし、以後の船舶価格を比較する指標だ。

 このため、国内造船業界の業績の追い風に対する期待感が大きい。一部では約20~30年周期の「スーパーサイクル」が到来したのではないかという分析まで出している。造船業界では1963~1973年が1次、2002~2007年が2次スーパーサイクルに挙げられる。ある造船業界関係者は「炭素削減の必要性にともなう老朽船舶の交替需要に加え、LNG船舶需要も着実にある」とし、「長期好況を期待する雰囲気が業界内では広まっている」と話した。

 むろん、期待するにはまだ早いという慎重論もある。まず、国内造船業が強みを持っているLNG船舶建造市場に中国企業も続々と参入しているという点が挙げられる。長期的に中国との技術格差がさらに縮まり、韓国造船業の立地が揺らぐ恐れがあるという懸念がある。ある造船業界関係者は「注文が多く、韓国造船会社がこれ以上受注できないため、中国もLNG船舶建造競争に飛び込むことができるようになった」と話した。

 熟練工の不足という弱点は依然として残っている。国内造船所が好況期に正社員を増やすよりは非正規労働者を拡大するとともに、不況の時はリストラに乗り出したことで熟練工が少なくなったためだ。不足した人材は外国人労働者が埋めている状態だ。下請け体制である国内造船業構造で、協力会社従業員の約20%は外国人労働者が占めている。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )