世界コンテナ運賃指数が1万ドル近くに高騰、輸入業者の不満強まる

AI要約

上海からニューヨークへの海上輸送におけるコンテナ運賃が急騰し、輸入業者の不満が高まっている。

運賃はピーク時より低いものの、依然として極めて高額な水準にあり、輸送力不足や運航計画の混乱が原因とされている。

米国の小売業者や輸送業者は商品の仕入れを前倒しするなど、運賃上昇への対応が進んでいる。

世界コンテナ運賃指数が1万ドル近くに高騰、輸入業者の不満強まる

Lisa Baertlein

[ロサンゼルス 15日 ロイター] - 玩具や自動車部品といった荷物を搭載する標準40フィートのコンテナを上海からニューヨークへ海上輸送する場合の運賃が1万ドル近くに高騰した。輸入業者の間では不満が強まっており、「市場はバブル状態にある」との声も聞かれる。

この経路の運賃を示すドゥルーリー世界コンテナ運賃指数のスポットレートは7月11日時点で9387ドルとなり、今年2月時点の倍を超えた。だた、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)初期につけたピークの1万6000ドルより低い水準にある。

業界の専門家はコンテナ運賃高騰の理由について、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による船舶へのミサイル攻撃とドローン攻撃により、海運各社はスエズ運河を通る最短ルートを回避して南アフリカ沖を通る迂回ルートでの運航を余儀なくされ、輸送力不足や運航計画の混乱が生じているためだと説明した。

こうした状況に米国の小売業者や輸送業者は、商品の仕入れを前倒しすることで対応している。これにより新学期セールやハロウィーン、クリスマス商戦向けの商品を輸入する「ピーク」シーズンに運賃が一段と上昇する事態を引き起こしているという。

コンテナ調査会社ドゥルーリーのシニアマネジャー、サイモン・ヒーニー氏は「これはバブルだ。最終的には、はじけるだろう」と述べた。同社が実施した調査では、顧客は来年上半期に運賃が下がると予想している。