欧州中銀、政策金利据え置きへ インフレ警戒根強く 18日に理事会

AI要約

欧州中央銀行は、労働市場の状況に基づきインフレに対する懸念を持ちつつも、政策金利を据え置く見通し。

サービス価格の上昇率の高止まりや労働市場の逼迫による賃金上昇などが今後のインフレリスクとして懸念されている。

理事会メンバーの中には、物価動向を見極めるため金利を据え置くことを支持する声もある。

 【ロンドン時事】欧州中央銀行(ECB)は18日、定例理事会を開く。

 堅調な労働市場を背景にインフレに対する警戒感は根強く、政策金利を据え置く見通し。市場の注目は9月の次回会合に移っており、ラガルド総裁が記者会見で追加利下げについて示唆するかが焦点だ。

 ECBは6月の前回会合で、2019年9月以来4年9カ月ぶりとなる利下げに踏み切った。6月のユーロ圏消費者物価指数は前年同月比で2.5%上昇。ピークだった22年10月の10.6%から大きく鈍化している。ラガルド総裁は会合後の会見で「インフレ見通しは著しく改善した」と分析した。

 ただ、サービス価格の上昇率が4%台と高止まりしている点は懸念材料だ。労働市場が逼迫(ひっぱく)する中、賃金の伸びはなおも高水準で、物価を押し上げるリスクがある。

 ラガルド氏は今月初めに行った講演で、「2%の物価目標を上回るインフレのリスクが去ったと確信させる十分なデータを得るには時間がかかる」と発言。オランダ中銀のクノット総裁が今月、独紙のインタビューで「7月に追加利下げを行う理由は見当たらない」と述べるなど、理事会メンバーからも物価動向を見極めるため、金利据え置きを支持する発言が出ている。