韓国民主党から出た「2国家論」…「若い世代の統一意識認めなければ」

AI要約

南北統一は政界で保守と進歩に関係なく絶対的命題に近い。民主党の李蓮喜議員が「2国家論」議論を提起し、物議を醸している。

李議員は若い世代の統一に対する冷静な意識、北朝鮮の「2国家論」宣言との対比を述べた。

統一必要性の意識調査結果や李議員の提案に関する専門家の分析を紹介した。

韓国民主党から出た「2国家論」…「若い世代の統一意識認めなければ」

南北統一は政界で保守と進歩に関係なく絶対的命題に近い。特に民族解放(NL)系列の学生運動界の人たちが多く含まれた「共に民主党」の場合、異論すら出しにくい「聖域」に近い。民主党出身の金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が平壌(ピョンヤン)を訪問し南北首脳会談を行っただけに、「南北平和統一」が党の核心価値という認識もある。

そうした中で民主党の李蓮喜(イ・ヨンヒ)議員は11日、「1つの民族、2つの国(2国家論)に対する議論をしなければならない」と公開主張した。民主党全国党員大会準備委員会綱領政策分科委員会の討論会でだ。李議員は党シンクタンクである民主研究院の副院長を務めた李在明(イ・ジェミョン)派の人物だ。

李議員は「南北関係は簡単に復元されにくい状況だが、若い世代を中心に認識が変わっている。民主党政権で南北関係をどのように解決していくのかについて悩みがなければならない」と話した。その上で「南北間の経済協力と文化交流を通じて相互理解と信頼を増進し、平和共存に向けた案を模索する必要がある。綱領作業に『2つの国』という認識で対北朝鮮政策を組むことも議論されれば良いだろう」と主張した。「平和統一追求」を明確に掲げた既存綱領と違い北朝鮮を個別の国と認定しようという意味だ。

「南北統一」という進歩陣営の長い間の価値に反旗を翻した挑発的主張に野党圏はざわついた。党内の一部では「保守の人々がするような発言」(首都圏初選議員)のような批判が出てきた。「技術的に党綱領に盛り込むのは不可能だ」(党役員)という主張も提起された。現行の憲法には「大韓民国は統一を指向し、自由民主的基本秩序に立脚した平和的統一政策を樹立し推進する」(第4条)と明示されており、「2国家論」をすぐに政党綱領に盛り込むことはできないという趣旨だった。

李議員は12日に電話で「これまで進歩的な立場を強く掲げるほど統一を前面に掲げてきた。党内で反対する人たちがいるのも事実。だが統一は国民世論をベースに推進しなければならない。若い世代になるほど統一に対し冷静だという現実も考慮するほかない」と話した。その上で「互いに実体を認めて平和な隣国として過ごしながらも経済協力を通じて交流を続けさせるのが現時点では最も良い代案だと考える」と説明した。

昨年ソウル大学統一平和研究院が実施した統一意識調査で統一が「とても必要だ」と「やや必要だ」という意見は全年齢帯を合わせて43.8%にすぎなかった。20代の場合「統一が必要だ」と答えた割合は28.2%にとどまった。20代の41.2%は「統一は別に必要ない」「全く必要ない」と答えた。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は1月に「80年間の北南関係史に終止符を打ち、朝鮮半島に並存する2つの国家を認めたことに基づいて、わが共和国の対南政策を新しく法化した」として「2国家論」を宣言した。悪化する南北関係を反映した結果だというのが専門家らの分析だった。金委員長の立場と似ているという指摘に李議員は「個人的な立場をいうならば北朝鮮の体制には否定的。北朝鮮の立場とは関係がない。韓国の現実と、特に若い世代の意見を考慮して出した意見」と説明した。