バイデン氏 選挙継続訴えるも言い間違え 撤退圧力続き盟友の動きに注目

AI要約

バイデン大統領が再選を目指し、撤退論に対抗するために記者会見を開いたが、言い間違えの失態で撤退圧力が続いていることが報じられた。

バイデン氏周辺の党内勢力が撤退を求める一方、黒人議連やヒスパニック議連の取り込みを図るなど党内対立が泥沼化している状況が示唆された。

オバマ元大統領やペロシ元下院議長の言動が今後の情勢に影響を与える可能性が高いとされている。

【ワシントン=坂本一之】11月の米大統領選で再選を目指す民主党のバイデン大統領(81)は11日、撤退論噴出の引き金となった6月の討論会後初となる記者会見を開き、自身が大統領選候補に「最もふさわしい」と述べ選挙継続を改めて表明した。質疑を通し高齢不安の払拭を図ったが、言い間違えの失態で撤退圧力は続いている。今後はバイデン氏の盟友で党内に影響力を持つオバマ元大統領やペロシ元下院議長の言動が情勢を左右しそうだ。

バイデン氏は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の閉幕に合わせて会見に臨み、1時間近くにわたって質疑に応じた。自身の施策をアピールする一方で、「ハリス副大統領」と言うべきところを共和党のトランプ前大統領(78)の名前を呼ぶ場面があった。

会見前の会合では、ウクライナのゼレンスキー大統領をプーチン露大統領と言い間違えた。直後に気付いて訂正したが、撤退論を巡り過熱するメディアは言い間違えを次々と報じ、高齢不安をあおる形となった。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、バイデン氏に撤退を求める民主党内勢力(11日時点)は党下院議員213人のうち17人。上院議員は47人のうち1人で、23人いる知事ではゼロとなっている。

一方、バイデン氏は黒人議連やヒスパニック議連の取り込みを図っていて、同氏の進退を巡る党内対立は泥沼化している。

バイデン氏に近いペロシ氏は、党内議論を早期に終息させる必要があるとの考えを示していて、オバマ氏と共に対立をどう沈静化させるかが注目される。