NZ・マオリ族の新女王(27)が誕生 意外な選択の背景に「文化の豊富な知識」

AI要約

ニュージーランドのマオリ族で新女王が誕生し、継承の背景や意義が注目されている。

王位継承の儀式やマオリ族の文化、新女王の意外な選択について報じられている。

新女王はマオリ族の文化を理解し尊重するリーダーシップとして期待されている。

NZ・マオリ族の新女王(27)が誕生 意外な選択の背景に「文化の豊富な知識」

 5日、ニュージーランドの先住民、マオリ族の新たな女王が誕生した。選ばれたのは意外な選択とされる27歳の女性だった。

 5日、ニュージーランドの先住民、マオリ族に新たな女王が誕生した。

 新女王の座についたのは、ナ・ワイ・ホノ・イ・テ・ポ・パキ氏(27)。ニュージーランドの北島で王位継承の儀式が盛大に行われた。

 マオリ族は、13世紀から14世紀にかけて南太平洋の島々からカヌーでニュージーランドにやってきて定住したとされている。

 ラグビーのニュージーランド代表で有名になった「ハカ」ダンスなど様々な伝統的な文化がある。

 2002年、当時皇太子だった天皇陛下が、雅子さまとニュージーランドを訪れた際にも、マオリ族の伝統的な儀式でお出迎え。

 そんなマオリ族の人口は、およそ85万人。王は儀式的な役割を担い、法的権限はないというが、ニュージーランドの6人に1人がマオリ族ということもあり、大きな影響力を持っているという。

 そのマオリ族の王を18年にわたって務めたキインギ・トゥヘイティア・ポタタウ・テ・フェロフェロ7世(68)が先月30日、病気で亡くなったため、娘のナ・ワイ氏に王位が継承された。

 地元の人たちは、ナ・ワイ氏の新女王就任を「新たな夜明けだ」と称賛している。

 ナ・ワイ氏が新女王に選ばれた背景をみていく。

 現地メディアによると、ナ・ワイ女王にはテ・アリキ・タマロア・ワトゥモアナさん(30代)とテ・アリキ・トゥルキ・コロタンギさん(20代)の2人の兄がいるという。

 一般的にマオリ族の王は長男から選ぶ傾向があり、今回、ナ・ワイ女王が選ばれたことは意外な選択であるとデイリー・メールは報じている。

 ロイター通信によると、ニュージーランドは、マオリ族の権利や文化を尊重する政策を盛り込んだ「ワイタンギ条約」をマオリ族と締結している。

 しかし、去年10月の総選挙の結果、政権交代し、ニュージーランド航空のCEOなどを務めたラクソン氏が首相に就任すると状況が一変する。新政権はワイタンギ条約の運用見直しやマオリ族への支援縮小を打ち出したというのだ。

 こうしたなか、ワシントン・ポストによると、ナ・ワイ女王はマオリ文化研究に携わり、ワイタンギ条約締結地の保護活動にも力を入れていて、マオリ族の文化について信じられないほど豊富な知識を持っていると評価されているという。

 ナ・ワイ女王の就任についてマオリ文化の専門家は、「AI、地球温暖化、その他多くの社会変化がマオリ族の存在を脅かす時代に、人々を導く若いリーダーシップが切望されていた」とAFP通信の取材に答えているという。

 つまり彼女が選ばれた「意外な選択」の背景には、マオリ族の文化を深く理解していることがあった。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年9月10日放送分より)