移住希望の家族の泊まり込み禁じる施策開始、米ボストン空港

AI要約

マサチューセッツ州政府がローガン国際空港での移住希望家族の泊まり込みを禁止する施策を開始した。

一部の家族は元刑務所などの避難施設に移送されることが決定された。

移住希望者らが一時期数百規模で空港内に滞在、州政府は受け入れ施設の限界を受けて措置を講じた。

移住希望の家族の泊まり込み禁じる施策開始、米ボストン空港

(CNN) 米東部マサチューセッツ州の州政府は11日までに、州都ボストンにあるローガン国際空港で移住を望む家族の泊まり込みを禁じる新たな施策を開始したと発表した。

移住審査の待機リストに載っている条件を持つ一部の家族は、同州ノーフォークにあり緊急避難施設に最近改修された元刑務所などに移送されるとした。州政府当局者は、州内の避難施設の収容能力が限界となった事態を受けた措置とした。

同州のヒーリー知事(民主党)は地元テレビ局の取材に、9日から実施されたこの施策に触れ、「ローガン空港が移住を望む家族らが夜を過ごすために集まる場所になるとは考えもしなかった」と説明した。

同州政府はここ数カ月間、移住希望者らが州内に押し寄せている現状を警告。知事は昨年、緊急事態に対応する避難施設が7500家族を受け入れている事態に警鐘を鳴らしてもいた。州政府幹部は昨年、住民にこれら移住希望者を住まわせるよう自宅の部屋の提供を促してもいた。

ノーフォークにある元刑務所は2015年に閉鎖されたもので、緊急避難施設としては140家族の居住能力を持つ。ボストンから南西へ約25マイル(約40キロ)離れた場所に位置しているが、移住希望者の宿泊先とする案には反発があり、施設近くで抗議行動も起きた。

地元テレビ局によると、ノーフォークでは先月、住民の集会があってこの問題を協議。教育、医療支援態勢や公共秩序に悪影響を及ぼす事態への懸念もあり紛糾したという。

移住希望者らが数カ月間にわたって寝食しているのはローガン空港の国際線到着ターミナルビルの一画。壁沿いに寝袋、毛布や枕を並べて就寝に備える姿などを収めたテレビ映像もある。

一時期には数百規模の家族が空港内に滞在していたとの情報もある。州政府当局者によると先月25日時点では約288人が夜を過ごしていたが、今月9日朝までにはわずか数家族が残っているだけとなった。

地元テレビ局によると、夜明けと共に州警察、社会福祉事業担当者や空港職員らがこれら家族をタクシー乗り場へ誘導し、避難施設へ向かわせたという。