仏下院選、左派が第1党へ 与党の敗退受け首相が辞任表明 極右は伸び悩む

AI要約

仏国民議会総選挙の決選投票で、野党の左派連合「新人民戦線」が第1党になる見通しであり、与党連合は第2勢力に後退している。

与党の敗北を受け、首相は辞表を提出することを表明しており、政権が揺らいでいる状況だ。

各政党が過半数に満たない「宙づり議会」となる可能性があり、連立交渉が難航する見通しである。

【パリ=板東和正】フランス国民議会(下院、定数577)総選挙の決選投票が7日行われ、即日開票された。仏メディアなどによると、野党の左派連合「新人民戦線」が第1党になる見通し。マクロン大統領率いる最大勢力の与党連合は第2勢力に後退。第1回投票で首位だった欧州連合(EU)に懐疑的な極右政党「国民連合(RN)」は失速し、第3勢力にとどまる見通しとなった。

与党連合の敗退を受け、与党の選挙戦を指揮したアタル首相は7日、マクロン氏に辞表を8日に提出すると発表した。

仏紙ルモンド(電子版)が報じた7日午後11時半(日本時間8日午前6時半)時点の内務省の暫定結果によると、急進左派「不屈のフランス」などから成る新人民戦線の獲得議席数は171。与党連合が150で続き、RNが共闘勢力を含めて140となった。いずれの勢力も過半数の289議席に届かない見通し。

多数派形成へ各勢力による連立交渉が本格化するが、政策などが異なることから難航が予想される。どの政党も過半数に満たない「ハングパーラメント(宙づり議会)」となった場合は、予算案や法案を成立させるのが困難になる恐れが指摘されている。

総選挙は2回投票制。決選投票は6月末の第1回投票で過半数を得票した候補者がおらず、当選者が確定しなかった501選挙区で実施された。

決選投票前の世論調査はRNが第1党になると予測していたが、新人民戦線と与党連合が大きく盛り返した。両勢力がRNの勝利を阻むため、200超の選挙区で候補者を一本化したことが効果を示した可能性がある。

仏メディアによると、決選投票の投票率は約67%で1997年以降で最も高かった。