カメルーン大統領の娘、同性愛公表 反LGBTQ団体が刑事告発

AI要約

アフリカ中部カメルーンのポール・ビヤ大統領の娘であるブレンダさんが、ソーシャルメディアで同性愛関係にあることを公表したことにより反LGBTQ団体に刑事告発された。

同性間の性行為が違法であるカメルーンにおいて、ブレンダさんの行動は大きな反響を呼んでいる。

父親である大統領との対立を覚悟して同性愛に立ち向かったブレンダさんに対して、弁護士や支持者からサポートが寄せられている。

【AFP=時事】アフリカ中部カメルーンのポール・ビヤ(Paul Biya)大統領(91)の娘ブレンダ(Brenda Biya)さんがソーシャルメディアで同性愛関係にあることを公表したのを受け、反LGBTQ(性的少数者)団体がブレンダさんを検察に刑事告発した。

 カメルーンで同性間の性行為は違法。違反すれば、6月以上5年以下の禁錮刑が科される。

 世界各地で性的少数者の権利を啓発する活動が行われるプライド月間に当たる6月の最終日、ブレンダさんは母国への反抗として、自身がパートナーとキスをしている写真をインスタグラムで公開。「あなたに夢中。世界にもそれを知ってほしい」とのメッセージを添えた。

 これを受け反LGBTQ団体は今月9日、ブレンダさんが「同性愛行為を促進、扇動した」として刑事告発した。同団体は「同性愛の非犯罪化」に反対しており、5000人の会員を擁する。

 本件について、ビヤ大統領はコメントを出していない。メディアは大統領の「偽善行為」を批判している。

 性的少数者の弁護を専門とするアリス・ヌコム(Alice Nkom)弁護士はブレンダさんについて、「父親である大統領と対立するリスクを負い、すべてのしがらみを断ち切った」と説明。「これは人権の問題だ。全ての人がブレンダさんに寄り添い、彼女のメッセージを広める必要がある」と訴えた。

 否定的なコメントを受けて、ブレンダさんは「悪い方向に転んだ」と述べて写真を削除した。

 ブレンダさんはティックトックに投稿した動画で、「多くの否定的なコメントや批判、侮辱を受けた。だが、カメルーンに代弁者がいないと感じていた組織や個人や、LGBTQコミュニティーから多くの支援も受けた」と語った。【翻訳編集】 AFPBB News