事実上の「締め出し」に...トランスジェンダーに厳しいパリ五輪

AI要約

トランスジェンダー選手の参加に関するIOCの指針改定と、パリ五輪における制約について述べられている。

男性としての経験に基づく不公平を回避するための基準設定や、競技ごとの出場資格判断について言及されている。

今後の五輪において、トランスジェンダー選手の包括的な参加が実現するにはまだ課題が残ることが示唆されている。

事実上の「締め出し」に...トランスジェンダーに厳しいパリ五輪

出生時の性別と自認する性が異なるトランスジェンダーをめぐってスポーツ界は揺れ続けている。少なくともパリ五輪では、彼らが直面する障壁は消えないようだ。

国際オリンピック委員会(IOC)は今年1月に指針を改定。以前は男性ホルモンのテストステロン値が一定期間、基準値以下のトランス女性は女性競技に出場できるとされていたが、12歳になる前に性転換を完了した選手に限るという基準が設けられた。

男性として思春期の変化を経験したことに起因する不公平を回避するためとされる。

また、出場資格の判断が各競技組織に委ねられているため、複数の競技で厳格な基準が適用されることに。パリ五輪では陸上、自転車、水泳、ラグビー、ボート、ボクシングなど少なくとも10の競技で、性転換の年齢やホルモン値の基準などの厳しい制約が課される。

社会的なレッテルによる差別の問題も含め、完全にインクルーシブな五輪の実現はまだ遠いようだ。