ホンダまで東南アジア工場減らす…その穴を埋める韓中の電気自動車

AI要約

日本の自動車メーカーが東南アジア市場から撤退し、中国と韓国の電気自動車メーカーがその市場を拡大している状況が報じられている。

中国は電気自動車の生産基地を急速に拡大しており、タイなどでのシェアを着実に拡大している。

一方、韓国の現代自動車はインドネシア市場に焦点を当て、バッテリー製造などの戦略を展開している。

ホンダまで東南アジア工場減らす…その穴を埋める韓中の電気自動車

6億7000万人の東南アジアの自動車市場を掌握していた日本が揺れている。ホンダは9日、タイ・アユタヤ工場での生産を終了し、自動車生産基地をプラチンブリ工場に統合すると明らかにした。工場統廃合はホンダの販売台数減少の影響だ。ホンダによると、タイでの自動車生産は2019年の22万8000台から昨年は15万台に減った。中国の電気自動車との競争激化も今回の決定に影響を及ぼしたという。先月11日にはスズキが来年末にタイ工場を閉鎖すると発表した。

日本車が去った穴は中国と韓国の電気自動車が埋めている。韓国自動車モビリティ産業協会(KAMA)によると、東南アジア市場で日本車のシェアは2021年の73.0%から2022年には68.7%に減った。これに対し同じ期間に韓国車のシェアは3.6%から4.6%に、中国車のシェアは3.6%から4.1%に増えた。

◇注目される東南アジア市場

東南アジアは中国と韓国の自動車メーカーには機会の市場だ。韓国輸出入銀行海外経済研究所は、東南アジアの自動車販売台数が2022年の347万台(世界シェア4.4%)から2030年には584万台(5.1%)に成長するものと予想した。韓国自動車研究院のイ・ソヒョン選任研究員は「東南アジアは内需市場が大きく、ニッケルなどバッテリーに使われる核心鉱物が豊富で、世界の自動車生産拠点に成長する可能性が大きい地域。日本車メーカーが長く独占してきた市場に韓国と中国が最近電気自動車への転換という新しい機会を通じて積極的に進出し競争している」と話した。

中国は東南アジアに電気自動車生産基地をいち早く構築している。BYDは4日、タイ東部ラヨーン県に4億9000万ドル(約791億円)を投資して生産工場を竣工した。昨年8月には中国長安自動車が2億8500万ドルを投資してタイに電気自動車工場を建設すると発表した。SNEリサーチによると、昨年の中国電気自動車のアジア主要市場でのシェアはタイが75.5%で1位、マレーシアが44.0%で1位、インドネシアが41.6%で2位となった。2021年にはタイで14%、マレーシアとインドネシアで0%にすぎなかったのと比べると驚くべき成長だ。

中国の電気自動車の東南アジア戦略は「電気自動車浸透率」を高めることだ。電気自動車浸透率とは新車販売台数のうち電気自動車の販売割合を意味するもので、昨年のタイの電気自動車浸透率は11.1%で韓国の9.3%より高い。電気自動車に対する拒否感がないタイのような地域で中国は低価格電気自動車を前面に出して消費者に選択されている。対外経済政策研究院が5月に発表した報告書によると、昨年タイで販売された中国製電気自動車は競合企業と比べ1.5倍~5倍安かった。対外経済政策研究院のチェ・ジェヒ専門研究員は「インドネシアの自動車消費者の66%は経済性や利便性などの側面で中国製電気自動車を肯定的に受け入れている」と説明した。

◇現代自動車の東南アジア進出戦略は

現代自動車はインドネシア市場に集中している。インドネシアは東南アジアで最も大きい自動車市場で、昨年100万5802台の車が販売された。電気自動車に加え内燃自動車の消費層も堅固だ。さらに電気自動車バッテリーの核心鉱物が豊富なのも長所だ。現代自動車は3日にLGエナジーソリューションと合弁したバッテリーセル工場のHLIグリーンパワーを竣工した。この工場で生産したバッテリーを現代自動車の新型「コナ・エレクトリック」に搭載する計画だ。現代自動車関係者は「インドネシアの自動車工場を中心に小型SUV『クレタ』など現地需要に特化した戦略モデルを生産し販売を伸ばすだろう」と話した。