プーチン氏「露印間には長年の友情」 モディ印首相と会談、対欧米視野に結束強化アピール

AI要約

プーチン大統領とモディ首相がモスクワで会談し、露印関係やウクライナ情勢を協議。

プーチン氏はロシアの友好関係を強調し、モディ氏をBRICS首脳会議に招待。

モディ氏は対話重視の姿勢を示し、ウクライナ和平に協力する考えを表明。

プーチン氏「露印間には長年の友情」 モディ印首相と会談、対欧米視野に結束強化アピール

ロシアのプーチン大統領は9日、首都モスクワでインドのモディ首相と会談し、露印協力やロシアの侵略が続くウクライナ情勢などを協議した。ウクライナ侵略で欧米諸国と対立するロシアは、露印や中国など主要新興国や非欧米諸国でつくる「BRICS」、「上海協力機構」(SCO)といった国際協力枠組みを通じて欧米に対抗しようとしており、今回の首脳会談でもインドとの結束を強化する思惑だ。

プーチン氏は会談冒頭で「露印間には長年の友情があり、両国関係には特権的戦略パートナーシップの性質がある」と指摘。両国間貿易が拡大していると強調したほか、今秋にロシアで開かれるBRICS首脳会議にモディ氏を招待した。プーチン氏は「モディ氏がウクライナ情勢の正常化に関心を持っている」として謝意も表明した。

モディ氏は露印の関係強化を進めるとしつつ、「問題解決に必要なのはミサイルや砲弾ではなく対話だ」と強調。ウクライナ和平に向けインドが協力する考えを示した。

モディ氏の訪露は2019年9月の極東ウラジオストク以来で、22年のロシアによるウクライナ侵略後では初。両首脳の対面会談は22年9月のウズベキスタンでのSCO首脳会議以来となった。

ロシアにとってインドは主要な兵器輸出相手国となってきた。さらに、ウクライナ侵略後、インドは欧米主導の対露制裁に参加せず、露産石油の輸入を拡大して間接的にロシアの戦費を下支えしている。ロイター通信によると、23年4月~24年3月のインドの石油輸入のうち、露産が35%を占めた。前年同期は22%だった。(小野田雄一)