新英首相が外交デビュー 就任直後、手腕に注目 NATO首脳会議

AI要約

英労働党のスターマー首相がNATO首脳会議で国際デビュー。バイデン大統領らとの個別会談に臨み外交手腕を試す。

労働党は親欧州姿勢を維持し、外交政策に大きな変更はないとされる。ウクライナ支援継続やNATOへの積極関与を表明。

国防費増額目標を掲げるも達成時期は不明。専門家によると様子見状態が続く見通し。

 【ロンドン時事】4日の英総選挙で大勝した労働党のスターマー首相が、米首都ワシントンで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で国際舞台にデビューする。

 バイデン米大統領はじめ各国首脳との個別会談に臨むとみられ、就任したばかりのスターマー氏の外交手腕が早速試される。

 14年ぶりの政権交代を実現した労働党は、欧州連合(EU)を離脱した保守党政権と異なり、「親欧州」の立場。安保戦略や対米、対アジアといった他の外交政策については大きな路線変更はないとみられている。

 首脳会議の主要議題となるウクライナ支援に関しても、労働党は「変わらず支援を続ける」と表明している。参加が予定されるウクライナのゼレンスキー大統領との会談では、引き続き軍事・非軍事両面での支援継続を約束すると見込まれる。

 労働党はNATOへの積極関与もうたっており、これまで同様、他の加盟国と緊密に協力しながら集団防衛の任務を支えていくとみられる。ただ国防費に関し、マニフェスト(政権公約)で国内総生産(GDP)比2.5%への増額目標を掲げたが、保守党と異なり達成時期は明示していない。専門家の間では、「増額を急がず当面様子見の状態が続く」との見方が出ている。