仏総選挙で大逆転劇を呼ぶ…「フランス版バーニー・サンダース」メランション氏とは

AI要約

左派連合の新人民戦線(NFP)の一つの軸であるジャンリュック・メランションが注目を集める。

メランション氏は左派政治家として長い経歴を持ち、人種差別とイスラム嫌悪に対抗する姿勢が評価される。

フランスの若者に人気があり、バーニー・サンダースに例えられるメランション氏の政治的性格が特筆されている。

今回のフランス総選挙で左派連合が予想を覆して極右政党を抑えて第1党になると予想され、左派連合の新人民戦線(NFP)の一つの軸を担ってきたジャンリュック・メランション「不服従のフランス(LFI)」代表に関心が集まっている。NFPはマクロン大統領が6月9日に解散総選挙を発表した後に結成された社会主義者、生態学者、共産主義者、LFIの同盟だ。

メランションLFI代表は政治経歴48年で、フランスの代表的な急進左派政治家だ。モロッコの港町タンジェでスペイン系の父母の間に生まれ、1962年にフランスに移住した。フランシュ=コンテ大学で哲学を専攻したメランション氏はフランス語教師、地域新聞の記者を経て1976年に社会党に加入し、政治活動を始めた。党の大物だったフランソワ・ミッテラン元大統領を支持しながらミッテラン派の主要人物として活動した。2000-02年には教育相を務めた。

当時、メランション氏は社会党の大物であり次期大統領選の候補者にも挙がった。しかしメランション氏は2008年に社会党が右傾化したと批判して離党し、左派党を結成した。2016年には左派党を出てLFIを新しく設立した。

メランション氏は大統領選に3回(2012年、17年、22年)挑戦したが、そのたびに苦杯をなめた。2012年に大統領選に初めて出馬した際に公約集『人間が優先』を出したが、公約集では異例にもフランスで30万部が売れてベストセラーになった。『人間が優先』には男女平等の実現、すべての差別の清算、賃金引き上げと社会的不安定の解消などの内容があった。

メランション氏は人種差別とイスラム嫌悪に対抗する政治家として評価される。2019年にフランス南部でムスリムをターゲットにした嫌悪犯罪が発生した。これをきっかけにフランスで初めてムスリム嫌悪に反対する大衆デモが開かれたが、この時にメランション氏が行進に参加した。

高齢だが、フランス青年層に人気があるメランション氏は「フランス版バーニー・サンダース(82)」と呼ばれる。2人とも高齢であるうえ、米上院で唯一の民主社会主義者を自負するバーニー・サンダース氏と政治的な性向が似ている点、青年層に人気が高い点のためだ。メランション氏はフランス政治風刺ユーチューブでもよく言及されるが、自身に言及された掲示物には直接コメントをするという。