北朝鮮の欠陥ノーコン弾道ミサイル、遂に首都を脅かす。打ち上げ失敗で「平壌の方に落下したようだ」と韓国軍

AI要約

北朝鮮が7月1日に短距離弾道ミサイルを発射。2発目は落下して首都平壌にも危険が及ぶ可能性があると報じられる。

北朝鮮のミサイル発射は、日米韓の共同軍事演習への示威行動と見られ、韓国は発射後の動向を注視している。

韓国軍は、北朝鮮のミサイル発射実験を警戒し情報共有を行っており、国際社会も北朝鮮の行動を警戒している。

北朝鮮の欠陥ノーコン弾道ミサイル、遂に首都を脅かす。打ち上げ失敗で「平壌の方に落下したようだ」と韓国軍

北朝鮮は7月1日にミサイルを発射したが、韓国軍によれば、2発目は打ち上げに失敗して落下し、首都の平壌に危険が及ぶかもしれないところだったという。

韓国軍合同参謀本部は1日、短距離弾道ミサイル2発が発射されたのを探知したと発表した。2発は、10分間隔で(現地時間で午前5時5分ごろと午前5時15分ごろ)、北朝鮮南西部に位置する黄海南道の長淵(チャンヨン)付近から発射された。中国・北京の北朝鮮大使館に文書でコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。

今回のミサイル発射は、6月末に共同軍事訓練「フリーダム・エッジ」を実施した日米韓に対する示威行動だろう。金正恩率いる北朝鮮政府は、米国主導によって朝鮮半島付近で実施されるこの種の軍事演習について、自国の存続を脅かすものだと述べている。

韓国の発表によると、北朝鮮が発射したミサイルの1発目は、およそ600キロ飛行したのち、北朝鮮北東部の清津(チョンジン)沖に落下した。清津は、北朝鮮がロシア、中国と国境を接する一帯から南西におよそ105キロ(65マイル)に位置する。2発目のミサイルも北東に向けて発射されたが、飛行距離は120キロにとどまった。

韓国の通信社、聯合ニュースによると、2発目は平壌の近くに落下した可能性が高い。平壌は、ミサイル発射地点である長淵から105キロしか離れていない。

「短距離ミサイルの正確な落下地点を把握することは難しい。平壌のほうに向かったと私たちは考えている」。聯合ニュースは、韓国軍当局の言葉を引用してそう報じた。

<失敗しても「成功」>

韓国軍合同参謀本部の李誠俊(イ・ソンジュン)広報室長はのちに開かれた記者会見で、2発目については分析中だと述べた。

北朝鮮と、同国の国営メディアは、今回の発射実験をまだ認めていない。しかし、韓国が先に発表した評価によれば、孤立する北朝鮮政権が約15カ月前に実施したように、命中精度の高いミサイル発射を繰り返して威力を見せつけようとしている可能性がある。

北朝鮮が今回発射した2発のミサイルはKN-23だと韓国軍は見ている。KN-23は固形燃料式の戦術弾道ミサイルで、正式名称は「火星11型」だ。

北朝鮮は2023年3月半ば、同じ場所からKN-232発を発射している。飛行距離はおよそ600キロ(370マイル)で、清津沖に浮かぶ標的の島に命中したとしている。

韓国、日本、米国は2023年12月から、北朝鮮が発射するミサイルの探知情報を即時共有している。

北朝鮮は6月27日にも、複数弾頭を搭載した弾道ミサイルの発射実験を実施して成功したと発表したが、韓国は失敗に終わったと述べている。

米インド太平洋軍司令官は今回の発射について、「(国連安全保障理事会決議に)違反するものであり、地域を不安定化させる行為」だと述べたが、発射実験は、米兵や米領土、あるいは同盟国に差し迫った脅威をもたらすものではないと語った。

(翻訳:ガリレオ)