韓国軍、6年ぶり前方でK9撃つ…北朝鮮のミサイル挑発に対抗

AI要約

北朝鮮が1日に発射した弾道ミサイル2発のうち1発が非正常飛行をしたことが把握され、韓国軍当局が精密分析に入った。

韓国軍は対抗措置として最前方地上砲兵射撃訓練を再開し、強い対北朝鮮抑止意志を示す予定である。

訓練再開は9・19合意で停止されたすべての防御訓練の復元を意味している。

韓国軍、6年ぶり前方でK9撃つ…北朝鮮のミサイル挑発に対抗

北朝鮮が1日に発射した弾道ミサイル2発のうち1発が非正常飛行をしたことが把握され、韓国軍当局が精密分析に入った。5日前に空中爆発で終わったミサイル発射を挽回しようとしたが、また失敗したとみられる。対ロシア輸出のための「物量検査」目的の可能性もあり、失敗に終わったとすれば北朝鮮ミサイルの不良率ばかりが浮き彫りになったということだ。

韓国軍の合同参謀本部は「この日、黄海南道長淵(チャンヨン)一帯で午前5時5分と15分ごろ、北東方向に発射された短距離弾道ミサイル(SRBM)2発を捕捉した」と明らかにした。長淵は北朝鮮が昨年3月14日にKN-23改良型を発射した地域だ。

最初のミサイルの場合、約600キロ飛行し、東海(トンヘ、日本名・日本海)上の咸鏡北道清津市(チョンジンシ)沖に落下したという。問題は2発目のミサイルだ。軍当局は飛行距離が約120キロにすぎないこのミサイルが初期段階から非正常飛行したとみている。北朝鮮版イスカンデルKN-23改良型の発射訓練中、1発は成功し、1発は失敗したのではということだ。

2発目のミサイルが非正常飛行したと推定する根拠として方向を挙げることができる。最初のミサイルが北東側に向かってプルアップ機動などKN-23飛行の特徴を見せて清津沖に向かった半面、2発目のミサイルはかなり北側に向かった後、SRBMの頂点高度に達しないままレーダーから消失した。

合同参謀本部の関係者は「空中爆発したとすれば残骸が内陸に落ちたかもしれない」と話した。距離でみると、空中爆発時に平壌(ピョンヤン)近隣に残骸が落ちるなど被害が発生した可能性がある。

韓国軍当局は、北朝鮮が最近、ミサイル試験発射失敗に向かう視線をそらすために急いでまた挑発したが、またも事故を起こした可能性があるとみている。北朝鮮は先月26日のミサイル挑発後に多弾頭試験に成功したと主張したが、軍当局は固体燃料基盤と推定されるミサイルが空中爆発したと映像まで公開しながら反論した。

KN-23がロシアのウクライナ侵攻戦争に活用されているという点で、今回の発射には輸出用ミサイルの性能改良または誇示目的があるとの見方もある。KN-23の発射失敗が事実なら、北朝鮮製武器体系の信頼性への損傷が避けられないとみられる。

一方、韓国軍は北朝鮮の汚物風船散布に続くミサイル挑発に対抗し、数日以内に最前方地上砲兵射撃訓練を実施する計画だ。9・19南北軍事合意で中断した同訓練を約6年ぶりに再開し、強い対北朝鮮抑止意志を行動で示すという趣旨だ。

1日の軍当局によると、陸軍は今週初め、軍事境界線(MDL)5キロ地域内でK9自走砲などを動員した大規模射撃訓練を行うことにし、細部計画を立てている。MDL5キロ地域内の砲兵射撃訓練と連帯級以上の野外機動訓練は2018年の9・19合意以降、実施できなかった。これを受け、江原道華川郡(ファチョングン)チルソン射撃場、京畿道漣川郡(ヨンチョングン)チョクゴリ射撃場、京畿道坡州市(パジュシ)ストーリー射撃場は事実上閉鎖された。

今回の地上砲射撃訓練は、これまで閉鎖された射撃場のうち1、2カ所でまず実施されるとみられる。その後、最前方野外機動訓練なども進行し、対北朝鮮警告メッセージのレベルを引き上げるとみられる。順次的な訓練再開は9・19合意で停止したすべての防御訓練の復元という意味もある。