フランス総選挙、極右躍進を支えたのは意外にも「女性票」だった

AI要約

フランス国民議会選挙で極右政党が躍進し、首位を獲得した。

極右政党の成功の背景には党のソフト化戦略と女性票の獲得がある。

女性も含めて国民連合の支持が高まり、決選投票で極右首相の誕生が可能性として浮上している。

フランス総選挙、極右躍進を支えたのは意外にも「女性票」だった

フランス国民議会(下院、定数577)選挙の1回目投票が6月30日におこなわれ、極右政党「国民連合」が躍進し、最大の得票率を得た。

国民連合は得票率33%で首位に立ち、次いで左派連合の「新人民戦線」が28%、エマニュエル・マクロン大統領率いる与党連合は21%にとどまった。

フランスの総選挙は2回投票制で実施される。7月7日の決選投票で国民連合が勝利を確実にすれば、極右の首相が誕生する可能性がある。

フランスの総選挙の仕組みは、1回目投票で過半数を獲得した候補がいれば、そのまま当選となるが、いない場合は決選投票で決める。その際、1回目投票の上位2候補は自動的に決選投票に進み、得票率が12.5%を超えた候補も進むことができる。

このため、決選投票が三つ巴の戦いになる選挙区も出てくる。

移民排斥や人種差別的な主張を掲げる極右政党がなぜこれほどまでの支持を集めたのか?

背景には、2011~2022年まで党首を務めたマリーヌ・ルペンの存在がある。彼女は、党創設者で過激な発言で知られた父親を党から追い出し、EU離脱などの極端な政策を引っ込め、ソフト路線に転換した。この戦略が功を奏したと分析されている。

ルペンはまた、中絶を容認するだけでなく、自身の離婚や子育ての経験も語り、自分も「普通のフランス人女性の一人」だとアピールした。

仏誌「ル・ポワン」は選挙直前に、そうした彼女のソフト化が「女性票の獲得」に大いに貢献するだろうと報じていた。通常、極右政党の支持層を分析すると、男性が圧倒的に多くなる。だが同誌は「いまや女性も男性と同じくらい国民連合に投票するようになった」という見出しで、フランス国民が国民連合を「普通の政党」と認識するようになったと指摘している。