マクロン氏の「賭け」にフランスの新聞「すべて間違いと証明」…極右系RNの「脱悪魔化」路線、現状不満を吸収か

AI要約
フランス国民議会選挙で極右の国民連合が首位に立つ与党連合は3位に低迷し、マクロン大統領の求心力が低下決選投票で単独過半数を目指す右派政党への反対勢力が動き出す

 【パリ=梁田真樹子】フランスの国民議会(下院、定数577)選挙の第1回投票が6月30日、行われ、即日開票された。仏内務省発表の暫定結果によると、極右の流れをくむ右派政党「国民連合」(RN)が共闘勢力を含めて得票率33・1%で首位、マクロン大統領の中道与党連合は20・7%と3位だった。7日の決選投票でRNの単独過半数を阻止するため包囲網の構築を目指す動きも出始めた。

 2番手は左派政党連合で得票率27・9%となっている。与党連合は改選前250議席を占めていた。大統領選で選ばれ2027年まで任期を残すマクロン氏は大統領続投の構えだが、与党連合が国民議会の最大勢力から転落する見通しとなったことで、一層の求心力低下は避けられない情勢だ。

 仏内務省によると、国民議会選は小選挙区制で、今回の第1回投票で有効投票の過半数を獲得し、当選者が決まったのは76選挙区にとどまった。RNはこのうち37選挙区で勝利した。7日は501選挙区で決選投票が実施される。投票率は66・7%で、国民議会選では1997年以降、最高を記録した。

 仏紙「フィガロ」によると、RN勢は過半数(289)を超える297選挙区で首位に立った。RNのジョルダン・バルデラ党首は6月30日、パリで「過半数を与えられれば首相になる」と気勢を上げた。

 フランスの首相は大統領が任命する。これまでは多数派勢力から任命されてきた。バルデラ氏は単独過半数にならなければ首班指名を受けない意向を明らかにしている。実質的な指導者のマリーヌ・ルペン氏も30日、決選投票で過半数の議席獲得を呼びかけた。

 これに対し、与党連合のガブリエル・アタル首相は30日、「決選投票でRNが過半数を獲得するのを阻止する」と表明した。決選投票は、有権者の12・5%以上の票を得た候補者が進出する。仏ラジオ局フランス・アンフォによると、306選挙区が三つどもえの戦いとなるため、反RNの候補者を一本化できれば勢いを抑え込めるとの計算がある。