SNS運営規制に慎重姿勢 2州法、違憲性判断せず 米最高裁

AI要約

米連邦最高裁は、SNS運営企業による投稿管理を規制するテキサス、フロリダ両州法の合憲性を巡る訴訟について、下級審に審理を差し戻した。判事は投稿管理が「言論の自由」に保護されるとしたが、違憲性の判断はしなかった。

運営企業は暴力表現や偽情報を制限してきたが、保守派からの「検閲」批判が強まっている。業界団体も両州を相手取り訴訟を起こしていたが、適用範囲の評価が不十分であり、差し戻しとなった。

判事たちはSNS企業の投稿管理が憲法で保護されるかについて意見が分かれており、議論が続いている。

 【シリコンバレー時事】米連邦最高裁は1日、SNS運営企業による投稿管理を規制するテキサス、フロリダ両州法の合憲性を巡る訴訟について、下級審に審理を差し戻した。

 多数の判事が投稿管理に関し、合衆国憲法修正第1条で定める「言論の自由」で保護されるとした。ただ、違憲性は判断していない。

 米メタ(旧フェイスブック)などが運営するSNSは膨大な利用者を抱え、世論への影響力を高めてきた。運営企業は暴力表現や偽情報などを制限してきたが、保守派を中心に「検閲」との批判が強まっている。

 SNS各社でつくる業界団体ネットチョイスなどが、両州を相手取り訴訟を起こしていた。9人の判事全員が、二つの控訴裁判所(高裁に相当)が規制の適用範囲の評価を行っていないとして差し戻しに賛成した。

 ただ、SNS企業による投稿管理が憲法で保護されるかは、見解が分かれた。多数派となったケーガン判事は意見の中で、管理をSNS企業の表現とみなした。判例は政府に対し、思想のバランスを取るために介入することを禁じていると述べた。穏健保守派の判事を含む5人が賛同した。

 これに対し、保守派のアリート判事は、修正第1条によって保護されるのは、「本質的に表現に富んだもの」に限ると指摘。SNSの運営がこれに該当するか疑問を投げ掛けた。