「トランプ2.0、対中輸出統制に韓国協力すれば『関税対話』うまく解決」(1)

AI要約

米大統領選レースの本格的なスタートが切られた際の専門家の見解や次期政権の課題、韓国の対応策についての討論が行われた。

トランプ政権とバイデン政権の方針、米中関係、韓国との通商政策に関する具体的な懸念や提案がまとめられた。

バイデン政権での政策予想、トランプ2.0の展望、韓国の対米貿易戦略、クリーンエネルギー政策に関する議論が報告された。

「トランプ2.0、対中輸出統制に韓国協力すれば『関税対話』うまく解決」(1)

「トランプ大統領が再選する場合、韓国が米国内でより一層活発な企業活動をしようとすれば、中国との関係縮小を真摯に考えなければいけない」(ナシム・フッセル元米上院財政委員会国際通商法務室長)

「『バイデン2.0』になる場合、インフレ抑制法(IRA)とクリーンエネルギー転換政策をより一層積極的に進めるだろう」(サラ・ビアンキ元米通商代表部次席代表)

先月27日(現地時間)、バイデン大統領とトランプ前大統領の最初のテレビ討論が行われ、米大統領選レースの本格的なスタートを知らせた。2人のうち誰が勝利しようと、次期政権が中国を狙った貿易・通商障壁を強化するのは明らかだ。11月の大統領選挙の結果が米国の通商政策に及ぼす影響と韓国の対応策を模索するため、中央日報は先月18日(現地時間)、米国の前・現政権および韓国政府の通商分野の専門家と討論会を行った。

バイデン政権で米通商代表部(USTR)次席代表を務めたサラ・ビアンキ氏(現エバーコアISI首席政策戦略家)、米上院財政委国際通商法務室長出身でトランプ政権で通商分野の法務を担当したナシム・フッセル氏が出席し、トランプ政権で在米韓国大使館商務官を務めて韓米FTA再交渉を担当した呂翰九(ヨ・ハング)元通商交渉本部長(現ピーターソン国際経済研究所上級委員)が進行を助けた。

◆米次期政権の課題1位…「減税」「中国」

次期米政権の最優先政策課題について、フッセル氏は「トランプ政権で施行して2025年満了予定の大規模な減税措置(Tax Cut)延長問題が最も優先順位になるだろう」と予想した。ビアンキ氏は「トゥードゥ(To-do)リスト」の第1位は中国問題になる」という見方を示した。

米中競争が激化する状況で韓国がとるべき賢明な選択を尋ねると、「米国のサプライチェーン確保など経済安全保障と直結する問題は私たちの現在であり未来という点を明確に認識しなければいけない」(ビアンキ氏)、「韓国企業が米国への投資を望むなら中国経済との関係を減らしたり、できる限り断つのがよい」(フッセル氏)と述べた。呂翰九氏は「韓国はトランプ政権当時、FTA改定および鉄鋼232条交渉を最初に妥結し、他国が米国と報復関税をしながら貿易戦争をする間、相対的に安定した通商貿易環境を形成した経験がある」とし「トランプ2期目にどう対処するの、かあらかじめ戦略を立てておくべきだ」と強調した。

◆「韓国などFTAパートナーも普遍的基本関税の対象」

呂翰九氏=トランプ氏は「10%普遍的基本関税」を公言している。同盟国でありFTAパートナーである韓国にも適用されるのだろうか。

ビアンキ氏=所得税を減らして関税に変えるというトランプ氏の観点で見ると、それだけの税収を増やすにはメキシコ・カナダ・韓国のようなFTAパートナーも含める必要がある。米国の最大貿易パートナーであるこれらの国を普遍的基本関税対象から除外することはできないだろう。

フッセル氏=韓国がトランプ政権との関係を大きな絵で見るのがよい。韓国が(対中国)輸出統制などトランプ政権の優先順位となる分野で米国に協力すれば「10%普遍的基本関税」方針に関連し、有利な対話の機会を持つことができるだろう。

◆「トランプ2.0、IRA全面撤回は難しい」

呂翰九氏=「トランプ2.0」(2期目)になれば、バイデン政権が進めた政策が180度変わるのではという懸念がある。その一つがクリーンエネルギー政策だ。「トランプ政権がすべて覆せばどうしよう」という業界の声も聞こえる。

ビアンキ氏=クリーンエネルギー転換を目標にするIRAプログラムを全面的に覆すのは難しいはずだ。すでに米全域の共和党・民主党議員の多くの選挙区にIRAが呼んだ多くの投資がある。

フッセル氏=トランプ氏の経済策士ロバート・ライトハイザー元USTR代表は持続可能なグリーンスチールの価値と重要性をよく知っている。ビル・カシディ米共和党上院議員が発議した「炭素関税法案」(炭素排出が高い外国輸入品に追加関税賦課)も支持した。トランプ2.0でも環境産業の空間は十分にある。