米大統領選テレビ討論後、複雑になったシナリオ…韓国政府の対米外交計算はさらに複雑に

AI要約

米大統領選挙の最初のテレビ討論が韓国政府の対米外交計算を複雑にしている。

バイデン政権との関係を高めてきたが、トランプ再選時には不透明な影響が懸念されている。

韓国政府は『バイデンチーム』と『トランプチーム』を分析し、対応を準備している。

米大統領選テレビ討論後、複雑になったシナリオ…韓国政府の対米外交計算はさらに複雑に

先月27日、米大統領選挙の最初のテレビ討論の結果は今後の韓国政府の対米外交計算も複雑にした。どちらが勝利するのか「2つのシナリオ」を準備するという立場に変わりはないが、いわゆる「トランプリスク」がさらに現実に近づいているからだ。

政府の基本立場は「いかなる結果が出ても韓米同盟に変わりはない」というものだ。しかし尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の発足後、韓米同盟と韓米日協力を土台にバイデン政権と政策シンクロ率を高めておいただけに、バイデン氏落選後の影響を事前に点検しておくべきという声が高まっている。

まず核協議グループ(NCG)、拡大抑止戦略協議体(EDSCG)、インド太平洋経済枠組み(IPEF)など「バイデンブランド」と見ることができる各種2国間・多国間協議体が調整される可能性がある。また強化された韓米日安保協力に対する懸念もある。西江大のキム・ジェチョン教授は「韓米日協力の場合、2国間同盟に比べて相対的に可視的な結果が不足し、バイデン大統領の政治的成果と見なされる可能性があり、トランプ氏再選時に動力を継続できるか不透明だ」と憂慮した。

トランプ氏の再選が招く影響の中には在韓米軍の調整と韓国核武装論もめぐる論争もある。米戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ韓国部長は先月26日の寄稿で「トランプ氏は北朝鮮制裁の緩和を条件に北朝鮮と核実験中断交渉をする可能性があり、在韓米軍の撤収を断行することも考えられる」とし「これはほぼ確実に韓国の核武装につながるだろう」という見方を示した。

現在、外交・安保部処は内部に「バイデンチーム」と「トランプチーム」を設置し、双方の選挙キャンペーンを綿密に分析している。梨花女子大の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は「同盟に費用・便益の観点で接近するトランプ氏を相手にする場合、合理的な水準で責任は担い、反対給付に対する具体的な計画を立てることが重要だ」と強調した。