EU首脳会議 欧州委員長候補にフォンデアライエン氏を指名 2期目続投決定は不透明

AI要約

欧州連合首脳会議が現職の欧州委員長フォンデアライエン氏の2期目続投を指名した。しかし欧州議会での承認は未定であり、親EU派議員の造反が予想されている。

フォンデアライエン氏はウクライナへの支援を強化し、安全保障協力の協定に署名。協定にはウクライナへの兵器供与加速が含まれる。

フォンデアライエン氏はロシアの脅威に対し、欧州の安全保障強化を掲げ、5000億ユーロの投資が必要との見通しを示した。

【パリ=板東和正】欧州連合(EU)首脳会議は27日、行政執行機関トップの欧州委員長の候補に現職のフォンデアライエン氏を指名した。EUのミシェル大統領がツイッターで発表した。欧州議会で7月に人事案が承認されれば、フォンデアライエン氏の2期目続投が決まるが、親EU派議員の造反が予想され確定的ではない。

フォンデアライエン氏が続投すれば、ロシアの侵略を受けるウクライナへの支援を引き続き強化する見通しだ。フォンデアライエン氏は27日、EUとウクライナの安全保障協力の協定に同国のゼレンスキー大統領らと署名。欧州メディアによると、協定には、EUと加盟国によるウクライナへの兵器の供与を加速させる内容などが盛り込まれた。

フォンデアライエン氏はロシアの脅威を念頭に欧州の安全保障の強化を掲げる。同氏は27日、EU加盟国の防衛産業の強化などのために5000億ユーロ(約86兆円)の投資が必要との見通しを示した。

首脳会議は、11月末に任期が切れるミシェル氏の後任にポルトガルのコスタ前首相を、EUの外相に当たる外交安全保障上級代表にエストニアのカラス首相を指名した。