中国人密入国者のあっせん組織を摘発 イタリア

AI要約

イタリアで高級車を使った中国人移民の密入国を斡旋する組織が摘発され、77人が拘束された。移民は奴隷のように扱われていた。

組織は中国人をイタリア語を話す現地住民として偽装し、セルビア経由で不法入国させていた。

移民はパスポートを取り上げられ、非人道的な状況下で働かされていた。

中国人密入国者のあっせん組織を摘発 イタリア

【AFP=時事】イタリアでこのほど、高級車を使って中国人移民を密入国させる、同国人で構成されるあっせん組織が摘発された。移民らは入国後、パスポートを取り上げられ、奴隷のように搾取されていた。イタリア警察が26日、明らかにした。

 警察は組織のメンバー9人と、不法移民77人の身柄を拘束。移民の多くは女性で、15~18歳の未成年もいたという。

 警察発表によると、移民らは「イタリア在住歴が長くイタリア語を話せる中国人が運転する高級車で旅行する、少荷物で身なりの良い怪しげのないアジア市民」として振る舞わされていた。

 今年4月、スロベニアとの国境での定期検問で、ある中国人がパスポート不携帯の同国人4人を移送しているのが見つかり、組織の存在が露見。「ビザが免除されるセルビアをはじめとする欧州連合(EU)域外国から中国人の非正規移民が小グループに分かれて継続的に入国している」実態が明らかになった。

 移民はセルビア経由の場合、車でボスニア、クロアチア、スロベニアを通ってイタリアに入国。北部ベネチア(Venice)の隠れ家に移送され1~2日滞在した後、イタリア国内の別の場所か、フランスやスペインなど他のEU加盟国に向かう。

 隠れ家で移民はパスポートを取り上げられ、「密入国費用を完済」するまで、寝床と職場を行き来するだけで医療サービスも受けられない「奴隷」のような扱いを受けていたという。【翻訳編集】 AFPBB News