与野党マニフェスト出そろう 総選挙へ独自色アピール 英

AI要約

英国総選挙に向けた主要政党のマニフェストが公表された。保守党は減税策を主張し、労働党は経済安定化を重視する。国防費の引き上げなどの政策も盛り込まれている。

保守党のマニフェストでは、国民保険料引き下げや住宅購入支援、移民対策の厳格化が提案されている。労働党は法人税率の上限設定など「親ビジネス」を掲げ、過去と異なる姿勢を示している。

他にも自由民主党がEU単一市場復帰を提案するなど、各党が独自の政策を訴えている。

 【ロンドン時事】来月4日の英総選挙に向けた主要政党のマニフェスト(政権公約)が出そろった。

 スナク首相の与党・保守党は最大野党・労働党に支持率で大きくリードを許し、14年ぶりの政権交代が濃厚な情勢。各党は有権者の関心を引き付けようと、税制などの重要課題で独自色を打ち出している。

 11日公表の保守党のマニフェストは、国民保険料引き下げをはじめとする各種減税策が柱で、BBC放送などによると年約170億ポンド(約3兆4000億円)規模。2030年までの実現をうたう。スナク首相は同日の会見で、政権を維持できれば「数年間続ける」と約束した。このほか住宅購入支援や移民対策の厳格化も打ち出した。

 一方、労働党は13日にマニフェストを発表。「富の創出と繁栄」を軸に据え、経済安定化と成長を促すため、法人税率の上限設定など「親ビジネス」を掲げた。左派コービン前党首の下で惨敗した19年の前回選挙時とは異なる「中道寄り」の姿勢を押し出す内容。スターマー党首は、労働党政権で「混乱でなく安定、短期から長期的視野(での政策実行)」が約束されると訴えた。

 保守党は、国防費を30年までに国内総生産(GDP)比2.5%に引き上げる見通しも盛り込んだ。労働党も同2.5%を目標とするが、期限は示していない。

 このほか、野党第2党の自由民主党もマニフェストを発表。欧州連合(EU)単一市場への復帰などを表明した。