【イギリス総選挙2024】労働党の前党首、現党首スターマー氏を批判 「歴史を書き換えている」
労働党の前党首ジェレミー・コービンが、現在の党首であるサー・キア・スターマーを歴史を書き換えることで批判している。
サー・キアは、2019年の総選挙での敗北を予期していたと述べ、2019年はコービンのマニフェストを支持する理由を問われると否定的な姿勢を見せている。
コービンは、選挙に関わった経緯についてサー・キアに対して受け入れを求めている。
イギリスの最大野党・労働党の前党首、ジェレミー・コービン下院議員は13日、現職のサー・キア・スターマー党首が「歴史を書き換えている」と批判した。サー・キアは先に、自分は2019年の前回総選挙で労働党が敗北すると分かっていたと述べていた。
サー・キアは2019年、当時党首だったコービン氏の影の内閣の一員だった。この年の総選挙で労働党は、同党史上最悪の敗北を喫した。
サー・キアはその後、コービン氏や、コービン氏が打ち出していた選挙公約から距離を置いている。
7月4日に予定されている今回の総選挙を前に、サー・キアは今月10日、与党・保守党のマニフェストを「コービン的」だとさえ批判。予算措置の説明をせずに「全てを荷車に詰め込んだような」マニフェストだと指摘した。
12日に行われた英民放スカイニュースの取材でサー・キアは、2019年にコービン氏のマニフェストを支持した理由を説明するよう求められると、「2019年の選挙で負けると確信していた」と述べた。
「もちろん労働党のために選挙運動をしたし、それは公言する」
「私は、良い同僚たちが労働党に戻ることを望んでいた」
サー・キアは一方で、2020年にコービン氏から党首の座を引き継いでから党をいかに刷新したか、繰り返し強調している。
13日に労働党のマニフェスト発表の場で演説したサー・キアは、「イギリスの未来に向けた真剣な計画」を提案していると述べた。
■「受け入れる」べきとコービン氏
コービン議員は、2019年の総選挙で労働党が敗北することを知っていたというサー・キアの主張について、「彼は私にそんなことを言ったことは一度もない」と述べた。
「だから、歴史を書き換えることは何の役にも立たないと思う」
「彼が今になって、当時は言わなかったが常にそう思っていたとか、そういったことを言うのはダブルスタンダードだろう」
「彼は(2019年の)選挙運動に参加していた。一緒にイベントで演説したこともあるので、(最近の発言は)かなり悲しいことだと思っている」
そのうえでコービン氏は、今の労働党党首には、2019年の選挙への関与を「受け入れる」よう伝えたいと話した。
コービン議員は2020年10月に党員資格を停止され、今年5月に労働党から除名された。そのため今回の総選挙には、地元ロンドン北部イズリントン・ノース選挙区から、無所属候補として出馬。コービン氏は1983年以来、イズリントン・ノース選挙区から連続当選している。
(英語記事 Corbyn accuses Starmer of rewriting history)