G7、緊張する対中貿易・安保に焦点 サミット2日目

AI要約

プーリア州で開催されているG7首脳会議が2日目に入り、中国との貿易関係や安全保障に焦点を当てて協議を行っている。

特に中国製造業の過剰生産問題やグリーンテクノロジーに関する議論が行われており、関税の課税や鉱物の輸出制限などが取り上げられている。

安全保障面でも、中国の対ロシア軍事支援やアジア太平洋地域の安定について検討されており、習近平国家主席へのメッセージも重要視されている。

G7、緊張する対中貿易・安保に焦点 サミット2日目

【AFP=時事】イタリア南部プーリア州で開催されている先進7か国(G7)首脳会議(サミット)は2日目となる14日、貿易・安全保障を中心に対中関係について協議する。

 貿易関連でG7首脳が強く関心を持つのは、中国との正面切っての貿易戦争を回避しつつ、いかに自国の産業を保護するかだ。

 米国、日本、欧州連合(EU、8番目の非公式パートナーとしてG7サミットに出席)はいずれも、中国製造業のいわゆる「過剰生産問題」に対し懸念を表明している。

■グリーン産業

 中でも焦点となっているのはグリーンテクノロジーだ。特にソーラーパネルや電気自動車などのグリーンエネルギー・技術分野において、中国政府の手厚い補助金が不当に安い製品を世界市場に氾濫させているとG7は指摘する。

 米国は先月、中国製の電気自動車(EV)に対し、100%の関税を課す方針を発表。EUもサミット前夜、来月から最大38%の関税を同様にかける計画を明らかにしている。

 先月行われたG7財務相・中央銀行総裁会議は、あらゆる国にとって「公平な競争条件を確保する」ための措置を検討すると警告した。

 もう一つの焦点は中国が最近、ガリウム、ゲルマニウム、グラファイトといった鉱物の輸出を制限していることだ。この規制は国際的な供給網を脅かすもので、電子機器に必要なレアアース(希土類)などにも波及する恐れがある。

■安全保障──ウクライナ、アジア太平洋地域

 サミットでは、中国による対ロシア軍事支援への懸念も取り上げられる。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は13日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)との共同記者会見で、ロシアの「戦争マシンに必要な物資」を提供している中国の役割に対し、G7は「集団行動をとる方向で合意した」と述べた。

 バイデン政権は、中国が無人機の共同生産や弾道ミサイル製造に必要な工作機械の輸出を通じ、ロシアの防衛産業、ひいてはウクライナ侵攻を支援していると非難している。

 G7サミットではまた、南シナ海(South China Sea)や台湾をめぐるアジア太平洋地域の安全保障についても言及される見込みだ。

 日本政府関係者は、極めて重要なのは中国の習近平(Xi Jinping)国家主席に対し、単に地域的な問題ではなく、G7すべてに関わる問題だという明確なメッセージを送ることだと強調した。【翻訳編集】 AFPBB News