「投げ出したくなる気持ちを踏ん張って…」ソフトバンク柳町達が3カ月弱のファーム暮らしで乗り越えた苦難
ソフトバンクの柳町達外野手が今季初昇格初打席で初安打を記録し、ファンからの歓声に感謝。
柳町は3カ月近いファーム生活を経て昇格し、自身との戦いを振り返る。
苦難を乗り越え、1軍昇格を果たした柳町が集中力を持って、打席で実力を示す姿勢を示す。
◆日本生命セ・パ交流戦 巨人0―2ソフトバンク(28日、東京ドーム)
歓声の大きさは、ファンが待ち望んでいた証拠だ。ソフトバンクの柳町達外野手(27)が今季初昇格初打席で初安打を放った。7回に代打で登場し、左前打をマーク。「名前のコールが上がったときにすごい歓声だった。より一層集中力が増したというか、本当にありがたい声援だったなと思います」とファンへの感謝を語った。
周囲に比べて日焼けした顔が、3カ月近いファーム生活を現していた。柳町は「自分自身との戦いだったなと思います」と振り返った。
2022年、23年と100試合以上に出場し、外野手として一定の存在感を放ち続けていた。しかし今季は好調のチームの中で開幕1軍入りを逃してしまう。ウエスタン・リーグでは開幕から半月で4割台前後をキープするなど打ったが、昇格の知らせは届くことはなかった。
「ちょっと成績も下降気味だった中で、やっぱり投げ出したくなる気持ちをちょっと踏ん張って。僕自身に負けないようにということを意識しながらファームでは頑張りました」。2軍で過ごす日々が続いた5月。〝自分自身との戦い〟が始まった。
4月末には3割8分台をキープしていたが、5月初戦の3日中日戦から24打数1安打。気持ちが切れかけた瞬間だった。それでもそこから25打数7安打と息を吹き返し、待ち望んだ1軍昇格。苦難を経験し一回り強くなった柳町。「本当に必死で1打席しっかり集中しようという思いで立てました」と打席では勝負に集中した。
直近2年も決してレギュラーが決まっていない中で出場機会をつかんできた。「どこの打席でもちゃんと集中して、自分の思い描くような打席ができれば結果も付いてくるのかなと思います」。柳町がバットでその実力を示すときが来た。(鬼塚淳乃介)