【中西清起】阪神、巨人と3差に 痛いというより厳しい負け!西勇輝3回KO大誤算

AI要約

阪神はDeNAに9-6で敗れ、逆転優勝に向けた重要な試合を落とす。先発の西勇が調子を崩し、攻撃でも走塁ミスが響いた。

21日の試合が勝利不可欠で、首位巨人との差を縮める必要がある。青柳が粘り強い投球を見せ、チームを勝利に導くことが求められる。

阪神は直近の試合で重要なポイントを逃し、残りの試合での勝利が不可欠となっている。

<DeNA9-6阪神>◇20日◇横浜

 阪神85年日本一の守護神で、05年のリーグ優勝時に投手コーチを務めた中西清起氏(62)が試合をチェック。大逆転優勝へ、負けられない試合を落とした攻守の敗因を厳しく指摘しました。【聞き手=松井清員】

 逆転優勝を目指す阪神にとって、痛い負けというより厳しい負けになった。残り8試合で首位巨人と3ゲーム差。DeNAに2連勝して最低2ゲーム差キープか、あわよくば巨人が広島に負けて2ゲーム差が詰まって、22日からの甲子園直接対決に向かいたかった。

 悪い意味で先発の西勇に尽きる試合になった。真っすぐ、変化球ともキレも制球も全然だった。両サイドを突いて打ち取るのが持ち味だが、多くが浮いて甘く入った。中11日と十分な間隔を与えて送り出しただけに、3回途中KOは大誤算。最後まで重い流れを引きずる展開にしてしまった。

 7回にビーズリーが浴びた筒香の2ランで勝負は決定的になった。だが、今年は先発で頑張ってきたのだから責められない。昨年リリーフ経験があるとはいえ、今年は初めて。しかも1点ビハインドで、1点もやれない状況でかなり慎重になって球数も要し、デリケートな部分が出たと思う。

 攻撃でもったいなかったのは井上の走塁だ。0-5から2点差に迫った4回2死一塁。代打で左翼線に長打コースのヒットを放ったが、一塁で止まってしまった。クッションボールを処理した左翼の佐野が、三塁に投げる態勢に入っていた姿は角度的にも見えたはず。悠々二塁に行けた場面で、二塁に行っていれば続く近本の適時二塁打で、1点ではなく2点入り、5-5の同点にできていた。記録に表れないミスが、こういう大事な試合、しかも勝負どころで出ると本当に痛い。一気に5点ビハインドを追いついていれば、両軍ベンチのムードは全然違うし、流れは阪神にきたはず。紙一重の分岐点になった。

 21日の2戦目は何が何でも勝つしかない。阪神が勝って、巨人が負けてくれれば2差で直接対決に臨めるが、もし4差開けば面白みはなくなる。3差維持は最低のデッドライン。青柳が味方が先に点を取るまで粘り、救援陣につなぐことだ。(日刊スポーツ評論家)