【玉ノ井親方 視点】大の里 同じ相手に同じ形で簡単に白星を献上しているようでは、大器の看板が泣く

AI要約

大の里が派手に投げられて敗れる。大関に簡単に右下手を許し、急いで攻めたことが敗因だった。

大の里は過去に同じ形で2度も敗れており、相手の投げを警戒すべきだった。

腰を下ろし、慌てずに相手の動きに注意することが大勝負に必要だと栃東は指摘する。

【玉ノ井親方 視点】大の里 同じ相手に同じ形で簡単に白星を献上しているようでは、大器の看板が泣く

 ◇大相撲夏場所11日目(2024年5月22日 両国国技館)

 大の里が派手に投げられた。

 取組前は熱戦を期待していたが、拍子抜けする内容だった。敗因は大関に簡単に右下手を許したこと。当たってすぐに右を差せたため勢いに乗って前に出ようとしたが、左のおっつけが甘く豊昇龍にそこを狙われた。大関の右下手を自由にさせてしまい右からすくうように投げられた。

 攻め急いだというか、すぐに大関が投げを打ってくるとは想定していなかったのだろう。右を差して“よしっ”と思ったのかもしれないが、上体だけが先走っている感じだった。過去に2度も同じ形で敗れているのだから、もっと相手の投げを警戒すべきだった。慌てずに腰を下ろして、左からおっつけていけば投げも防げたはずだ。たとえ相手が大関だったとしても、同じ相手に同じ形で簡単に白星を献上しているようでは、大器の看板が泣く。

(元大関・栃東)