八角理事長が大の里を高評価「10日目の勝ち越し立派」宝富士には「粘り強い」

AI要約

優勝争いは、中盤で3人が2敗でトップを走り、後続が1差の3敗で7人が追う展開。大混戦の中、残り5日の後半戦を迎える。

小結大の里が10日目で勝ち越しを決め、相撲協会の八角理事長から褒められる。精神的な強さを見せており、前日の敗戦の反省を生かした内容だった。

ベテラン宝富士が西前頭16枚目で幕内勝ち越し第1号を達成。粘り強い相撲で勝ち、八角理事長は力の入り方や青森出身の特性に注目し、今後も期待する。

<大相撲夏場所>◇10日目◇21日◇東京・両国国技館

 優勝争いは、中盤を終え2敗で3人がトップを走るものの、後続も1差の3敗で7人が追う展開だ。大混戦のまま、勝負の後半戦5日間を迎えることになった。

 2敗の3人は、この日で勝ち越し決定。その中で番付最上位の小結大の里(23=二所ノ関)について、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、入幕3場所目とあり「10日目の勝ち越しは立派。(予想より早い? の問いかけに)そうだろうね」と褒めた。前日の消極的な相撲とは打って変わって、この日は得意の右を差せなくても一気に走り、豪ノ山(26=武隈)を寄せ付けなかった。同理事長は「しっかり踏み込んでいて、自分のやることが分かっている。こういう相撲を見ると強いな、と思う。当たって思い切って出ようとしたんだろう。昨日はそれがなかった」と、敗れた前日の平戸海戦の反省を生かした一番に、精神的な強さも感じ取ったようだ。

 幕内勝ち越し第1号を決めたのは、西前頭16枚目のベテラン宝富士(37=伊勢ケ浜)。粘り強い相撲で一山本(30=放駒)を寄り切った一番に、同理事長は「いい流れが出来ている。勝っていると力も入る。うまく乗れるか、乗れないか」と残り5日の土俵も踏まえて現状のベテランを評価。さらに宝富士のイメージについて「体質もあるんだろうけど、体が張っているね。青森出身だから粘り強いというイメージがある」と後半の土俵にも期待した。

 また、入幕から1年の湘南乃海(26=高田川)には、今場所の力強さを評価。「この場所は腹から力が出ている気がする。重さが出ているというか」と話した。これまでのイメージは「体が大きいという印象があっても力強さは感じなかった」という。だが今場所については「力をつけているんじゃないのかな。(入幕までは時間がかかったが幕内に)上がってからは早かった。6場所でしょう」と入幕6場所目の湘南乃海が、ここ1年で地力をつけてきたことを評価した。