【中日】田島慎二が引退会見 決断の理由は「アウトを1つも取れなかったことで、心が折れてしまった」

AI要約

田島慎二投手が引退を決意した理由や思いを語り、感謝の気持ちを表明した引退会見が行われた。

仲間への思いやプロ野球生活の軌跡が振り返られ、祖父江や大野選手からの励ましに涙する場面も。

引退セレモニーは10月5日に予定されており、最後のプロ野球試合で腕を振るい、自分らしく引退を飾る意向を示した。

【中日】田島慎二が引退会見 決断の理由は「アウトを1つも取れなかったことで、心が折れてしまった」

 中日・田島慎二投手が22日、バンテリンドームで引退会見を行った。大きく息を吐いてから、「私、田島慎二は今シーズンをもって、現役を引退することを決意しましたので、ご報告させていただきます。自分らしく、13年間やれたので、(気持ちは)すっきりしています」とあいさつ。表情は晴れやかだった。

 決断の理由を問われ、「(今季は)勝負の年になると思ってスタートしたけど、開幕1軍を逃した。(今季唯一の1軍登板となった)阪神戦で、アウトを1つも取れなかったことで、僕の中で心が折れてしまった。やめなきゃいけないかなという気持ちになった試合だった」と言葉を紡いだ。

 淡々と話していた田島だったが、言葉を詰まらせたのは仲間のことを思った時だった。「まず(引退決断を)伝えたのは大野(雄大)さんと祖父江さん…」と当時を思い出し、目頭を押さえて続けた。「2人には、直接伝えたくて。大野さんは『まだ(シーズン)最後まであるから、お疲れさんは言わずにとっておく』と言ってくれた。祖父江さんはまだまだ元気だし、僕の分まで頑張ってほしい、と伝えた」とやりとりを明かした。会見の最後には、祖父江、大野雄大らが、花束を持って駆けつけると、満面の笑みを浮かべ、1人ひとりと言葉を交わした。

 田島は、東海学園大から初のプロ選手として11年のドラフト3位で中日に入団。16年にクローザーに転向すると、当時のプロ野球新となる開幕からの31試合連続無失点を記録。17年には守護神として自己最多の34セーブを挙げた。昨季は、5年ぶりに30試合登板を果たし、32試合で1勝2敗、10ホールドを記録したが、背中の張りや右肩の違和感など、相次ぐ故障に悩まされた。今季の登板は、自己最少の1試合にとどまっている。プロ13年間で、通算461試合に登板して、25勝41敗、75セーブ。

 引退セレモニーは10月5日のDeNA戦(バンテリンドーム)で予定されている。「打者1人でも、1イニングでも、現役の子が投げるべきじゃないか、という気持ちもあったけど、両親やファンの方の前で、自分らしく、腕を振って投げたい」と謙虚な右腕がプロ生活の最後の晴れ舞台に臨む。