「サッカーは0.1秒で世界が変わる」欧州一年目の毎熊晟矢がさっそく躍動! オランダの首位チームで冴え渡る“非凡な予測力”【現地発】

AI要約

AZはオランダで注目を集めており、前節の9−1の記録的大差勝利や暫定首位に躍り出るなど好調な状況だ。

24歳のガーナ人右ウインガー、イブラヒム・サディクが目立っており、今季だけで4ゴール・3アシストの活躍を見せている。

右SBの毎熊晟矢との連携も取り上げられ、サディクのブレイクに彼の存在が大きいことが明かされている。

「サッカーは0.1秒で世界が変わる」欧州一年目の毎熊晟矢がさっそく躍動! オランダの首位チームで冴え渡る“非凡な予測力”【現地発】

 AZはいま、オランダで注目を集めるチームのひとつだ。

 前節は魅惑の攻撃サッカーを披露してヘーレンフェーンを9−1という記録的大差で圧倒した。そして9月20日のズウォーレ戦では、後半アディショナルタイムにGKオブス・オドゥロのビッグセーブが出て2-1の勝利。敵地でしっかり勝点3を積み重ね、暫定首位に躍り出た。

 

 この夜のヒーローは24歳のガーナ人右ウインガー、イブラヒム・サディク。開始6分にルベン・ファン・ボンメルのクロスをワンタッチで決めて、チームに先制ゴールをもたらした167センチの小兵は、51分にも左足で美しい弧を描くシュートでGKの頭上越しに2点目を奪った。

 AZに移籍した昨季、あまり活躍できなかったサディクは、今季ここまでの6試合で4ゴール・3アシストとリーグトップのスタッツを残している。

 右SBの毎熊晟矢は「やっぱりウイングが輝くのはサイドバック次第。いまは上手く2人のコンビネーションができてます」と、同サイドでのサディクとの連携に自信を深めている。それを裏付けるのが試合後、NOS局で放送された『ストゥディオ・スポルト・エレディビジ』というオランダリーグのダイジェスト番組。「サディクが今季ブレイクした背景には、毎熊とのコンビネーションがある」と解説されたのだ。

「昨季、菅原由勢(現サウサンプトン)がプレーしていたポジションに毎熊が入った。彼は良い補強。毎熊が外、サディクは中、もしくはその逆と2人は良い形でポジションを取りながらプレーしている。後半は少しサイドからの攻撃が物足りなかったが、前半は2人のプレーがとても良かった」(番組より抄訳)

 サディクの1点目のゴールはアウェーサポーター席側で生まれたもの。サディクと毎熊はAZサポーターたちの目前で、あらかじめ仕込んでおいたゴールセレブレーションを披露した。

「開幕してすぐ『ゴールを決めたらなんかやろう』と話してたんですけど、前節、彼がゴールを決めたのに本人が忘れてたんで、試合後に『後日やろうな』と言いました(笑)」

 前半半ばごろ、味方からのバックパスを自陣で受けた毎熊はダイレクトキックで50メートル先のCFトロイ・ペロットに高精度のスルーパスを出し、GKと1対1になるビッグチャンスを創出した。この瞬間、毎熊は「ルベン(ファン・ボンメル)とトロイ(ペリット)が同じライン上にいるのが見えていた」という。

「最初はルベンが見えたけれど、その奥も見えていたので、あのラインにパスを出しました。彼がスルーすればトロイにボールが届くと思った。あとは2人に任せました」

 毎熊から見てファン・ボンメルとペリットが本当に同一ライン上にいたら、彼はストレート系のボールを蹴っていたはず。しかし映像で見返すとファン・ボンメルとペリットは前線で横並び気味に立っており、毎熊は少しだけカーブをかけてダイレクトパスを蹴ることで、ペリットにボールを届かせた。こうした状況を「同じライン」として認識し、即座にプレーとして表現できるところが毎熊の非凡なところである。

 毎熊のプレーを観察して思うのが、攻守における予測が秀でている点だ。

「サッカーは本当に0.1秒で世界が変わるスポーツなので、予測のところは常に考えながらプレーしてます」