ベイルート南部にイスラエルの空爆、ヒズボラ高位指揮官ら死亡

AI要約

イスラエル軍がベイルートのヒズボラ拠点を攻撃し、高位指揮官らが死亡。両者の対立が激化し、全面戦争の懸念が高まっている。

攻撃で少なくとも14人が死亡、66人が負傷。アキル氏の死亡により、米国700万ドルの懸賞金が解消された。

連日の攻撃により、数十人が犠牲となり、レバノン各地で被害拡大。ヒズボラによる自衛策も観測されている。

ベイルート南部にイスラエルの空爆、ヒズボラ高位指揮官ら死亡

ベイルート(CNN) イスラエル軍は20日、レバノン首都ベイルートの南部にあるイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点を攻撃し、ヒズボラの高位指揮官イブラヒム・アキル氏を含む十数人が死亡した。双方の紛争は急速に激しさを増しており、全面戦争の懸念が高まっている。

アキル氏はヒズボラの精鋭部隊「ラドワン部隊」のメンバー。イスラエル国防軍(IDF)のハガリ報道官は、アキル氏のほか指揮官「約10人」が死亡したと明らかにし、イスラエル北部ガリラヤの地域社会を急襲、占領する計画だったと非難した。ヒズボラはアキル氏の死亡を確認した。

ハガリ報道官によると、標的となった指揮官らは攻撃当時、「ベイルート近郊ダヒエの中心部にある住宅の地下にいて、民間人を人間の盾として利用していた」という。

レバノン保健省によると、この空爆で少なくとも14人が死亡、66人が負傷。人口密集地に建っていた高層ビルが倒壊した。

米国はアキル氏に700万ドル(約10億円)の懸賞金をかけていた。アキル氏は63人が死亡した1983年のベイルート米大使館への攻撃や、米軍要員241人が死亡した同年のベイルート米海兵隊兵舎爆破事件への関与が疑われている。

現地のCNN取材班は、瓦礫(がれき)の下敷きになった人々を救出し、負傷者を病院に運ぶため必死の努力が行われるのを目撃した。IDFは現地時間午後4時ごろに攻撃を実施したとしており、目撃者は付近のビルが30分近く揺れていたと証言している。

ベイルートなどレバノン各地に対して攻撃が実施されるのは4日連続。イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ地区やヨルダン川西岸でも、攻撃と作戦を続けている。

ヒズボラに対する今週の大規模攻撃が最初に行われたのは17日午後で、要員らのポケベルがほぼ一斉に爆発した。ヒズボラは指導者ナスララ師が暗殺防止策としてローテク装置に切り替えるよう促したことを受け、ポケベルを使用していた。

その24時間近く後、18日にはヒズボラのトランシーバーがベイルートやレバノン南部で爆発した。

17、18日の攻撃では子どもを含む少なくとも37人が死亡、3000人あまりが負傷した。