大谷翔平が初体験のプレーオフへ 「SHO TIME」は短期決戦にこそ真価

AI要約

大谷翔平が米大リーグで前人未到の「50-50」を達成し、ポストシーズンへの夢を語る。

ドジャースは12年連続のプレーオフ進出を果たし、大谷の勝負強さが注目される。

大谷は過去の短期決戦でもここ一番で力を発揮し、チームを勝利に導いてきた。

米大リーグで19日に前人未到の「50-50」を達成したドジャースの大谷翔平が喜びを語った中に印象的なものがあった。「(ポストシーズンは)米国に来てから夢に見ていた舞台。今日勝って決まったのは自分にとって大きい。今後はそこに向けて一から頑張りたい」

19日の勝利でドジャースは12年連続のプレーオフ進出を決めた。大谷にとってエンゼルスでの6シーズンではかなわなかった、初めての舞台。短期決戦が続く10月は、「ヒリヒリする9月」の比ではない。ドジャースの命運を握るのは、大谷の「ここぞのすごさ」かもしれない。

■命運握る「ここぞのすごさ」

大谷の短期決戦での勝負強さを改めて決定づけたのが、2023年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)だ。負けたら終わりの準決勝メキシコ戦で九回にサヨナラ打につなげる二塁打を放ち、決勝の米国戦では試合前にチームメートに対し「(米国チームに)憧れるのをやめましょう」と鼓舞。試合でも九回にマウンドに上がり、当時在籍したエンゼルスの主砲、トラウトから三振を奪い、頂点に立った。

プロ野球日本ハム時代から、ここ一番で持てる力を最大限発揮してきた。14年クライマックスシリーズ、ソフトバンクとのファイナルステージ第5戦。相手のアドバンテージ1勝を含めて2勝3敗と追い込まれた中で先発マウンドに上がり、二回に4失点したものの、その後は立ち直って強打の相手打線を7回12奪三振とねじ伏せ、逆転勝利につなげた。この時は第6戦で敗れ、日本シリーズ進出はならなかったが、大谷の底力が垣間見えたシーンだった。

■「SHOW TIME」に期待

16年のクライマックスシリーズ・ファイナルステージでは、突破に王手をかけたソフトバンクとの第5戦に指名打者で出場すると、7-4の九回に救援として登板、日本最速の165キロを計測するなど驚異的な投球で試合を締め、日本シリーズ進出を決めた。広島との日本シリーズでは、連敗で迎えた第3戦の延長十回2死二塁で右前にサヨナラ打。この勝利でムードが一変し、日本ハムは4連勝で日本一に輝いた。日本シリーズの大谷は16打数6安打、4二塁打で打率3割7分5厘と気を吐いた。

米大リーグのプレーオフは1カ月の長丁場だが、実態は短期決戦の連続。24年は10月1日にワイルドカードゲームシリーズ(3回戦制)でスタート、地区シリーズ(5回戦制)、リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)、そしてワールドシリーズ(7回戦制)と続く。各地区優勝の勝率上位2チームはシードされ、地区シリーズからの出場となる。