CB負傷者相次ぐ町田のDFドレシェヴィッチ「仲間に誇れる勝利を」前節首位再浮上の立役者が札幌戦へ決意

AI要約

FC町田ゼルビアはセンターバックの負傷者が相次ぐ中、首位返り咲きを果たした。急造DFラインで福岡攻撃陣を封じ、勝利に貢献した

DFドレシェヴィッチは急な出場要請に応え、家族の誕生を乗り越えて集中力を発揮。後半の得点に続き、チームメイトによる祝福も受けた

昌子の回復は順調だが、中山の状態が不透明。残りの試合において、ドレシェヴィッチの守備力と攻撃面での貢献が不可欠だ

CB負傷者相次ぐ町田のDFドレシェヴィッチ「仲間に誇れる勝利を」前節首位再浮上の立役者が札幌戦へ決意

 前節J1首位に再浮上したFC町田ゼルビアは21日、ホームに北海道コンサドーレ札幌を迎える。負傷者が相次ぐセンターバックの要として期待されるDFドレシェヴィッチ(27)は「(負傷した仲間に)誇れるような試合をして勝ちたい」と静かに闘志を燃やしている。

 前節の14日アウェー福岡戦では開始早々、センターバックのDF中山雄太が負傷でプレー続行不可能に。今夏加入した中山に定位置を譲る形になっていたベンチのドレシェヴィッチが急きょ投入された。前半にはもう一人のCBで主将のDF昌子源も接触プレーで起き上がれなくなり、右サイドバックが本職の新人DF望月ヘンリー海輝が相方となった。「両CBは重要な選手でチームには痛かったけど、代わりに出た選手が穴を埋めるためにしっかりプレーできたと思う。ヘンリーは高さと速さがあってどこでもこなせる選手。コミュニケーションをとって細かい確認をしながらプレーした」。急造DFラインながら長身の外国籍選手を擁する福岡攻撃陣を封じ、広島に勝ち点2差をつける首位返り咲きをもたらした。

 福岡戦2日前の12日朝、ドレシェヴィッチは日本国内で第2子となる次女誕生に立ち会った。夫人の体調不安もありサッカーに集中するのが難しいとみた黒田監督は、当初は家庭を優先させようと考えていた。だが遠征出発当日、本人の安心した笑顔を見た際に「連れて行きたい」と直感。コンディションも見極めた上で「やってくれるか」と意思確認したところ「絶対にやる」との決意を聞き、メンバー帯同を決断したという。試合では後半に勝利に近づく2得点目が決まると、キャプテンマークを引き継いでいたMF下田北斗の呼びかけでイレブンが「ゆりかごダンス」で祝福。「予期していなかった。ああいう形でみんながお祝いしてくれてうれしかった」と仲間に感謝した。

 黒田監督によると、昌子は順調に回復しすでに練習に復帰したものの、中山は今後の見通しが立たない状況にある。未体験の優勝争いが待つ残り8試合は総力戦が必至。献身的な守備と正確なフィードで攻守を支えるドレシェヴィッチの力を欠かすことはできない。

 3月のアウェー札幌戦では、CKからつながれたボールを頭で押し込む来日後初得点。チームに勝利とJ1昇格後初の首位浮上をもたらしたゲンのいいカードでもある。「もちろんどの試合でもゴールを決めてチームを助けたい。前回対戦のようになればいい」と再現を思い描いていた。