宗山塁(明大)父が語る原風景【前編】「『毎日、練習すること』。この約束を9年間守りました」

　2024年ドラフトの「超目玉」と言われている明大・宗山塁(4年・広陵高)が9月21日、学生ラストシーズンを迎える。東大との東京六大学リーグの開幕カードを前に父・伸吉さんが息子について語る。(全3回の前編)

　父・伸吉さんは広陵高校野球部OB。宗山にとっては父親であり、野球人の先輩に当たる。伸吉さんは高校2年秋、右投げ左打ちの俊足外野手としてベンチ入りしたが、その後、右膝を痛め、半月板を手術し、プレーヤーの道を断念。最後は裏方として、チームを支えた。

　2003年2月27日に長男が生まれ「塁」と命名したのは、言うまでもなく、息子に野球を託したいという強い思いからである。幼少時より英才教育をしてきた。三良坂小時代は三良坂少年野球部の監督として6年、三良坂中時代に在籍した高陽スカイバンズ(軟式)では、コーチとして3年指導した。自宅では9年間、1日も欠かさずに練習を重ねた。

　大学4年秋のシーズンを前に胸中を語った。

　6月末、明治大学野球部のオフ期間を利用して、広島に帰省してきました。過去2年間は大学日本代表でプレーさせていただきましたが、今回は選ばれず、時間が取れたようです。3日間のうち、1日は広陵高・中井先生(哲之監督)に挨拶へ行っていました。最近は自宅で練習することも、あまりないですね。年末年始も完全オフ。こちらが起こしても反応せず、ずっと寝ています。

　大学入学以降、変わったことと言えば食事の内容ですかね。かつてはカップラーメンも大好物でしたが、脂身のあるものは避け、砂糖も口にしない。アルコールも当然、興味がないですし「飲もうや！」と誘っても乗ってこない。面白ないんですよ(苦笑)。毎日、納豆ばかり食べていました。

　中学3年まで家にいるころも、私生活について特別、厳しくしたわけではないです。塁はもともと、おとなしく、悪さをするタイプではありませんでした。すべて、野球。広陵高校に入ってから中井先生の下で、寮生活では自分の身の回りのことをやらないといけない。目配り、気配りを鍛えてもらったと思います。

　今回の帰省時に久しぶりにキャッチボールをしましたが「どこが、痛かったんや！」と言うほど、順調に回復していて安心しました。この春は残念ながら、ケガをしてしまって、これも勉強です。僕の中でケガと故障は違うんです。防げるものと、防げないものがあるじゃないですか。故障は明らかに自己管理の部分。ケガはどうしようもないことがある。こればかりは、運でしかないので。「日常生活が悪いと、運はついてこんよ」という話はしたことがあります。ずっと良い時が続いてほしいですが人生、そうもいかんですからね。