明法が4-0で淑徳に快勝!無失点のまま1次予選突破

AI要約

第103回全国高校サッカー選手権東京予選の1次予選が行われ、明法が淑徳に4-0で勝利して2次予選トーナメントに進出した。

激しい攻防が繰り広げられた試合で、明法は石井や林を中心に攻撃を展開し、3試合連続の無失点で勝利を収めた。

淑徳は粘り強く戦ったものの、攻撃面でのチャンスを生かせず1次予選で敗れた。

明法が4-0で淑徳に快勝!無失点のまま1次予選突破

 第103回全国高校サッカー選手権東京予選の1次予選は9月15日、都内12会場で各ブロックの決勝28試合が行われた。16日に残り5試合を実施し、2次予選トーナメントに進む35校が出そろった。

 第23組は明法が4-0で淑徳に快勝し、3試合連続の無失点で1次予選を突破した。

 4-4-2システムの明法は、左の2列目で先発し、後半開始から右2列目に移ったMF石井伯空が独特のリズム感を持ったドリブルで敵陣へ進入。1年生らしからぬ戦術眼の高さも併せ持ち、攻撃の中心として躍動した。主将のFW林佑樹(3年)は前線、中盤を精力的に動き回ってはパスを引き出し、どん欲にゴールを狙った。

 明法は前半28分、FW伊集院陽向(2年)の蹴った左CKが混戦となり、石井がセカンドボールを拾って強シュート。39分には林がゴール正面から狙ったが、GKに捕球されて先制機を逸してしまう。しかしアディショナルタイム、こぼれ球に素早く反応したMF松坂颯(2年)が押し込んでラッキーな先制点をものにした。

 2回戦で都立雪谷に2-1と競り勝って決勝に駆け上がった淑徳は、相手にボールを持たれる時間が長かったものの、CB南豪(2年)を中心に粘り強い応対で多くの決定機をつくらせなかった。ただ複数のパスを通わせながら、質の高い最終パスを配給する形にはなかなか持ち込めず、好機は前半25分にFW小林瑛登(2年)の打った1本だけだった。

 後半に入っても明法がボールを保持する時間が多く、半ば過ぎからはより攻勢に出た。

 18分にボランチ中島裕哉(2年)の右クロスから放った石井の決定打は惜しくも右に外れたが、3分後に2点目を手に入れる。石井が右から持ち上がって最終パスを送ると、林が右足ダイレクトで弾丸シュートを蹴り込んだ。

 26分の石井の強シュート、31分の伊集院のヘッドはいずれもGKの好守に阻まれたが、うねりのような猛攻撃はやまなかった。そうして32分、ボランチ永末柊成(3年)が左から届けた斜めのパスを、林が豪快に決めて3点目。39分には、石井が交代出場したばかりのDF中野向陽(2年)の右クロスを右足で合わせて駄目押しゴールとした。

 淑徳は後半も相手の堅陣を崩し切れなかった。大きな得点チャンスを構築できず、昨年に続いて1次トーナメント決勝で敗れた。

 2年間コーチを務め、今春から指揮を執る桑田直徹監督は「ボールに勢いよく向かってきた前半の姿勢はリスペクトしたい」と、まずは淑徳の戦いぶりに敬意を表した。続けて「いろんな戦術のチームに負けてきたので、そこからの学びと経験が財産になっています」とチームの特長を説明した。

 4月のインターハイ(総体)予選は、西支部の初戦の2回戦で都立日野台に1-2で負けた。2週間前の練習試合では勝利していた相手だった。主将の林は「あの時は少しの気の緩みから負けたので、同じミスをしないようより良い準備をしてきました。今日も試合終了の笛が鳴るまで集中して戦った」と快勝に胸を張った。

 この夏休みは遠征での試合などを通じて鍛え上げたそうで、桑田監督は「攻撃の成功パターンをいくつかつかめました」と話したように、1次予選3試合で13得点と成果に表れたようだ。

 人間性と人間力が豊かな選手ばかりだと言い、「応援してくれた部員は午前中に試合があり、終わってから駆け付けてくれたんです」と目を細める。昨年は2次トーナメントBブロック3回戦まで進出したが、桑田監督は「去年の3年生が努力する文化をつくってくれたおかげです。感謝したい」としみじみ語る。

 林も「去年の成績を超えられるよう、先輩たちの分まで頑張りたい」と上位進出に思いをはせた。

(文・写真=河野正)