日大藤沢が前年度王者の貫禄を魅せ、市立桜丘に3発快勝で3回戦進出

AI要約

日大藤沢が市立桜丘を3-0で下し、3回戦進出を果たす。

岩坪瑛太のCKからのゴールで日大藤沢が先制し、その後追加点を重ねる。

市立桜丘は最後まで諦めず、日大藤沢は全国制覇への意気込みを語る。

日大藤沢が前年度王者の貫禄を魅せ、市立桜丘に3発快勝で3回戦進出

 9月15日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選2回戦が県内の会場で行われ、市立桜丘と対戦した日大藤沢が3-0で勝利を収め3回戦進出を決めた。

 「格上なので相手の良いところは消して攻撃にいけるところは頑張っていこうというプランだったのですが、コーナーからの飛び道具も持っていらっしゃるので…」。試合後、市立桜丘・岡本崇吾監督が悔やんだように1本のCKから流れは一気に日大藤沢に流れた。

 序盤からゴール前をしっかりと固めた市立桜丘に対し、日大藤沢はバックラインでボールを回しながら、FW7宮澤朋哉やFW9伊東大輝らの個人技を交え、ゴールをこじ開けにかかるが、なかなか枠を捉えることができない。

 対する市立桜丘は18分に自陣でのパスカットからMF7深田泰斗がカウンターを仕掛けるが、日大藤沢のDF陣に素早く寄せられ形を作らせてもらえない。このまま互いにスコアレスで前半を折り返すと思われた40分、MF10布施克真の左サイドからのCKを「自分にとってセットプレーは武器。気持ちを強く持って入った」DF3岩坪瑛太がニアで逸らすとボールはそのままゴールに吸い込まれ日大藤沢がようやく先制点をあげる。

 1点を追う市立桜丘はハーフタイムに「後半の入り15分を集中して、ボールを奪ったら怖がらずに向かっていこう」(岡本監督)と鼓舞され笑顔で後半のピッチに登場。46分にはMF6北浦悠月、48分には宮澤と先取点を取ってリズムの良くなった日大藤沢攻撃陣の波状攻撃に食らいついていく。しかし、岡本監督がひとつの区切りとしていた55分、DFの裏に抜け出した宮澤のラストパスを伊東に流し込まれ追加点を許すと直後の57分には左サイドを崩した布施の折り返しをMF11岩内類に決められその差は3点に。

 完全に勢いに乗った日大藤沢はその後も長短のパスを織り交ぜ次々とシュートを見舞うが、市立桜丘も最後まで集中を切らさず、カウンターから一矢を報いにかかるが、結局ゴールネットを揺らすことはできずにタイムアップ。日大藤沢がK1所属の貫禄を魅せ高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 関東1部勢の桐蔭学園所属の桐蔭学園が待つ3回戦へと駒を進めた。

 試合後、ゴールこそ奪えなかったものの、再三に渡りゴール前を賑やかした宮澤は「引いてくる相手に対して対策はしましたが、最初うまくいきませんでした。あのセットプレーを1本(岩坪)瑛太が取ってくれたのは大きかったですし、後半は自分たちのサッカーで攻撃が出来ました」と1本のセットプレーの大事さを語った。さらに「自分たちの目標は『挑越』。去年、一昨年の結果を超えることなので最高の準備をして神奈川1位を獲って全国に挑戦したいです」と力強く語った。決勝ゴールの岩坪は「初戦ということで難しかったのですが、きちんと点を取って勝つことができて良かったです。監督からもセットプレーは試合を決める鍵になると言われていたので1本取れて良かったです。ただ、もっと点は取れたのでそこは詰めていかないといけないと思います」と喜びながらも反省も忘れなかった。今後に向けては「後ろはゼロ失点で終われたので今後も続けていきたいです。一番の目標は全国制覇、そしてプリンス昇格も目標なので両方達成できるようにみんなで締めてやっていきたいです」と意気込みを語った。

 惜しくも力及ばなかった市立桜丘。最後まで足が止まらず、ホイッスルの後にはやり切った充足感からか笑顔も伺えた。岡本監督も「サッカーマンとして最後まで真面目にひたむきにやり切ったと思います。胸を張って次に向かって頑張って欲しいと思います」とエールを送った。

(文・写真=西山和広)