【山田久志】阪神は勝つことがすべて 負けた方は、ただの１敗でなく1.5敗ぐらいの負担に
阪神が追いすがる広島を奈落に落とし、7度目のサヨナラ勝ちを収めた。
広島の自滅と投手陣の失速により、阪神が逆転勝利を収めた。
残り12試合で巨人との直接対決が控える中、阪神が3位に浮上し一騎打ちの形勢に入った。
＜阪神4－3広島＞◇14日◇甲子園
阪神が追いすがる広島を奈落に落とした。今シーズン7度目のサヨナラ勝ちで、巨人とは“一騎打ち”の理想的な形になった。
山田 阪神は広島の自滅だったとはいえ、とにかく勝つことがすべてだ。この対戦カードは、負けた方がただの1敗でなく、1・5敗ぐらいの負担になっただけに余計に大きい。ネット裏から、才木が立ち上がりからやけに飛ばしていたのが気になっていた。4回に先手を打たれ、6回に追加点を許した際は明らかにバテがきていた。6回には2点目を失い、なおも2死三塁、小園に初球をレフトにはじき返される前は、投手心理からしても、ちょっとした“間”がほしいところだった。でも終盤の広島はその3点を抑えきれず、阪神が付け入ったというより、相手から崩れたという印象が強かった。
7回。広島2番手島内が、森下に死球、続く大山の投ゴロで併殺を取れなかった。佐藤輝が右前打、前川四球の満塁で降板。代わった森浦も梅野に押し出し四球、1死満塁から木浪の二遊間へのゴロを菊池が好捕し、二塁カバーの矢野にグラブトスも落球（記録は失策）で2点目。代打原口の左前打で同点とした。
山田 シーズン前半は好調だった島内なのに修正が効かず“独り相撲”になった。その後も「負の連鎖」で、9回も4番手黒原が同じように連続四死球からピンチを背負って、最後は中野に打たれるという、同じやられるパターンを繰り返した。広島にとっては「まだいける」と切り替えることのできる展開だっただけに痛い。
2位阪神は残り12試合になった。巨人との直接対決が22、23日（甲子園）に控えている。
山田 阪神はよく上にくっついていったし、生き残ってきた。ここにきて追いかけられる方の巨人はしんどいはずだ。もう一山あるかもしれない。【取材・構成＝寺尾博和】
