【悼む】北斗の拳の「黒王」のような迫力… 黒光りしていたヴァーミリアンの思い出

AI要約

ヴァーミリアンは黒光りし、マッチョな姿の馬だった。母親の父の影響で毛色にこだわりがあった。

22歳になっても格好良さは健在だったが、筋肉は落ちていた。

訃報を聞き、函館競馬場で再会したときは幸運だったと振り返る。

【悼む】北斗の拳の「黒王」のような迫力… 黒光りしていたヴァーミリアンの思い出

 黒い馬は格好良く見えるものだが、まさにヴァーミリアンがそうだった。全身がピカピカと黒光りし、胸前やトモが大きく隆起する。栗東トレセン内ですれ違った時は「おおっ、ヴァーミリアンや!」と思ったものだ。

 腕利きで知られマッチョだった担当の久保卓也助手がまたがれば、人気マンガ&アニメの「北斗の拳」に出てくるラオウの愛馬「黒王」のような迫力があった。

 毛色は「黒鹿毛」と登録されていたが、記者は黒鹿毛よりもっと黒い「青鹿毛」なのではないかと思っていた。黒鹿毛と青鹿毛は見分けが難しいとされる。

 それだけヴァーミリアンの毛色にこだわっていたのは、母の父サンデーサイレンスと毛色をはじめとした雰囲気が似ていたから。サンデーサイレスは「青鹿毛」だった。

 伝説の名馬サンデーサイレスは、こんな感じの馬だったのだろうかと思いながら見ていたものだ。

 今年6月の函館スプリントS当日。記者は函館競馬場内のファンエリアを歩いていて、4コーナー付近にある「ふれあいパドック」に黒い馬がいるのをみつけた。看板を見て気づいた。「ヴァーミリアンや!」と。

 22歳だけにさすがに筋肉は落ちていたが、毛づやの良さや格好良さは相変わらずだった。

 今回の訃報を聞き、あの時に会えたのはラッキーだったなと思っている。

 【中央競馬担当=岡本光男】