【パラ】小田凱人、車いすテニス金メダル「凱人と書いて一番と読む」中学時代から世界一を意識
小田凱人(18)が車いすテニス男子シングルスで金メダルを獲得。勲章を目指してきた彼の強い意志について。
小田は子供たちのヒーローになりたいという思いを持ち、著書をプレゼント。生徒たちへのメッセージにも注目。
有言実行で金メダルを手に入れた小田は、今後もNO・1=ヒーローとして全力で戦い続ける決意。
<パリパラリンピック>◇第11日◇7日◇車いすテニス◇男子シングルス決勝
パリ・パラリンピック第11日の7日、車いすテニス男子シングルスで小田凱人(18)が初出場で金メダルを獲得した。
NO・1。そのたった1人しかつかめない勲章を、小田は常に目指してきた。
愛知・西成中2年時の「立志式」。学年末に生徒たちが今後の夢や決意を表明する場で、小田はこうしたためた色紙を披露した。
「凱人と書いて一番と読む」
他の生徒たちは好きな四字熟語などの中、存在感は突出していた。担任を務めていた溝口晃弘教諭(33)は「ペラペラと話すような子ではなかったけど、あの頃から、パラリンピックでの金メダルや世界一になるという強い意志を持っていたんですよね」。小4から本格的に始めた車いすテニスにかける、強い思いを感じていた。
かねて「子供たちのヒーローになりたい」と発してきた小田。今年6月に同校を訪れた際には、全生徒に初の著書をプレゼントした。サインに添えた子どもたちへメッセージは、こう書かれていた。
「次の俺は誰だ」
世界の舞台で結果を出し、一番になるために戦い続けるからこそ、贈れる言葉。溝口教諭は「すごく考えて書いてくれたことが印象的でした。『この中からも世界を目指せるぞ』というエール。生徒たちにもとても励みになると思います」と感謝する。
有言実行でつかんだ金メダル。小田はこれからも、NO・1=ヒーローであるために、全力でボールを追う。【勝部晃多】